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敗色
「敗色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敗色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
たちに告げてきたものだが、帰還して、軍需工場に勤め太平洋戦争となり、それが日本の
敗色濃く、しきりに東京空襲が行なわれるようになると、ぼくは銃後にいても多くの周囲....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
、又密集体形を展開するのにも苦しんだ。日本軍は三方から攻撃を続けるので明軍次第に
敗色を現した。如松は始め、恵陰嶺を越え来る時にも、落馬して額を傷つけたが、この乱....
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
うなると、光秀の軍は絶えず右翼を脅威せらるることになり、中央軍の奮戦に拘わらず、
敗色既に掩いがたきものがあった。 それと同時に、左翼は淀川を頼みにして、配備が....
「微笑」より 著者:横光利一
度を正直に梶に伝えているだけであることは分っていた。しかし、戦局は全面的に日本の
敗色に傾いている空襲直前の、新緑のころである。噂にしても、誰も明るい噂に餓えかつ....
「惜別」より 著者:太宰治
を打破ったのだといってよい。このお正月の末あたりから、帝政露西亜に内乱が勃発し、
敗色いよいよ濃厚になり、日本軍は破竹の勢い、つづく三月十日、五月二十七日、日本国....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
配していながらも、博士の保護を実践しなかったことは確かに手落である。 大江山が
敗色濃いのを見てとって、雁金検事が代って丈太郎にたずねた。 「すると君は、外国の....
「市井喧争」より 著者:太宰治
言うけれど、こうして植えて、たのしんでいるじゃないですか。」図星であった。私は、
敗色が濃かった。 「それあ、たのしんでいる。僕は、四円もとられたんだぜ。」 「安....
「返事」より 著者:太宰治
争に於いて日本に味方をしました。馬鹿な親でも、とにかく血みどろになって喧嘩をして
敗色が濃くていまにも死にそうになっているのを、黙って見ている息子も異質的ではない....
「白藤」より 著者:豊島与志雄
だが、戦局は日増しに不利で、戦線は次第に本土近くへ押し返されて、心ある者には既に
敗色が感ぜられていました。国外へ出征すれば生還を期し難い事態でありました。保治自....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
だ、この恐ろしい青江の魅力がもう俺のものでなくなって了うのだと思い出すと、自分の
敗色が明らかになり、苦しいと叫ぼうとする声が出なくなりかけてい、突然狂気になって....
「三国志」より 著者:吉川英治
喊の声は、天地をつつみ、鼓声はみだれ、山川もうごくかと思われた。 此方――
敗色にみなぎっていた味方の本陣では、彼の働きに、一|縷ののぞみをかけて、 「戦況....
「三国志」より 著者:吉川英治
戦第一日も、二日目も、さらにその以後も、河北軍は連戦連捷の勢いだった。 曹操は
敗色日増しに加わる味方を見て、 「程※、何としたものだろう」とかたわらの大将には....
「三国志」より 著者:吉川英治
に彼の危急を救ったのも、彼だった。 この奇襲に、冷苞の勝色は、たちまち変じて、
敗色を呈し、算をみだして、劉※の陣地へ退却して行ったが、おどろくべし、そこの営内....
「三国志」より 著者:吉川英治
一勝はしたが、その代りに、呉に一敗をうけてしもうた、孔明はかならず、お味方のこの
敗色をうかがって、ふたたび迅速な行動を起してくるにちがいない。――隴西の地、急な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と一騎打ちの覚悟であった。 激戦幾昼夜。 しかしここでも一戦ごとに、足利勢は
敗色を否みようなくしていた。その上にもである。突如、 「佐々木道誉の一軍が、義貞....