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「敢為〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敢為の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
で、そしてどこかに圧《おさ》ゆべからざる勇猛心を持っていた。勇猛心というよりか、敢為《かんい》の気象といったほうがよかろう。すなわち一転すれば冒険心となり、再転....
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
》に対して起るのであります。従来の徳育法及び現今とても教育上では好んで義務を果す敢為邁往《かんいまいおう》の気象《きしょう》を奨励するようですがこれは道徳上の話....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
。 今、ご座船は停止した。 諏訪|因幡守忠頼の嫡子、頼正君は二十一歳、冒険|敢為の気象を持った前途有望の公達であったが、皆紅の扇を持ち、今|船首に突っ立って....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
役で、髪は半白、下膨れの垂《た》れ頬《ほお》、柔和の容貌ではあるけれど、眼附きに敢為の気象が見える。 「小一郎様が森の中へ!」 「おお行かれたか! 困ったなあ」....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
っとこのうめあわせをします」 チビ公の興奮した目はるりのごとくすみわたって瞳は敢為の勇気に燃えた。 うとうとと眠ったかと思うともう東が白みかけたので母に起こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の少年の勇ましい後ろ姿を見るにつけ、思い起すは宇津木兵馬のこと。 武術は人に敢為《かんい》の気象を教えるが、抗争の念を助長させたくないものだ、との優しい心づ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
まかされた。』 現在の困窮にせき立てられ、より明るい将来の希望に輝き、そして敢為進取の精神に駆り立てられて、これらの勇敢な冒険者は、これに抗するあらゆる者に....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
だと睨んだものであった。しかしそれも異っているらしい。なかなか立派な人物らしい。敢為冒険の精神にとんだ、一個堂々たる大丈夫らしい。そうして珍奇な器具類や、莫大も....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
のためには、なによりもわれ/\の勇気、何ものをも怖れぬと同時に、何事をも容赦せぬ敢為な気象を養わねばならぬと信じます。云いかえれば、己れのよしとするところに向つ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ネットリとした云いぶりは、尋常一様の云いぶりではなく、馬飼の長、半野蛮人の、獰猛敢為の性質を見せた、ゾッとするような云いぶりなのであった。 「では私今日只今、ど....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
顔をせられて居る。あるシナの人相学者がその後私に話しますには、今のチベット法王は敢為なお顔付であるけれども、あの眼相はよくないからしてきっと戦争でも起して大いな....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
っとけば、命のほどが危ない。こっちが青くなって、必死に引き分けてやるほど、気性の敢為な獰猛極まる奴であるが、このデカ先生もまた、生得、雷様がお嫌いらしく思われる....
文明教育論」より 著者:福沢諭吉
にてもこれを教えて完全ならしめんとするときは、かえってその人の天資を傷い、活溌|敢為《かんい》の気象を退縮せしめて、結局世に一愚人を増すのみ。今日の実際において....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
い事をしたのだ。 少壮で風采の好い事では、 ジオスコロイの兄弟が勝を占めていた。敢為邁往の気象で身方の利を謀ったのは、 ボレアスが伜兄弟の手柄だ。 沈著で、剛毅....
それから」より 著者:夏目漱石
、却《かえ》って明白な判断に本《もとづ》いて起ると云う事実は、彼が犯すべからざる敢為《かんい》の気象を以て、彼の信ずる所を断行した時に、彼自身にも始めて解《わか....