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「敢行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敢行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
で、いつも気を引立てられている勝気にも性の弱い弟は、この秘密で冒険な行旅を、姉の敢行力の庇《かげ》に在って、共々、行い味われたので、一も二もなく賛成した。 さ....
空中墳墓」より 著者:海野十三
求いたします。先ず第一に、真弓さん、貴女の本当のお父さまは、無着陸世界一周飛行を敢行した操縦士風間真人氏なのです。詳しいことは言っていられないが、ここに風間氏の....
地球盗難」より 著者:海野十三
にあった。まかり間違えば生命を失う決心をして、彼は怪事件解決のために、中央突破を敢行したわけだった。 繁みからソロソロ匍いだした大隅学士は、幸いに誰に見咎めら....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
必ずしも死を選ませはしない。絶望の極死を選むということは、まだ、どこかに、それを敢行する意力が残っているときの事である。真の絶望というものは、ただ、人を痴呆状態....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
等が暗中摸索を続けているうちに、その間犯人は隠密な跳梁を行い、すでに第二の事件を敢行しているのだ。 法水は、すぐ円廊の扉を開いて光線を入れてから、左側に立ち....
単独行」より 著者:加藤文太郎
の都合で降雪中の登降を試みるなら、雪の降り始めに行うべきで、決して降雪の止む頃に敢行してはならない。 降雨――雨量が少量の場合は湿雪の降ったのと同様、概して雪....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、一度兵士達が見つけて以来、勤務について、寄宿舎にいなくなった留守を見はからって敢行された。特務曹長からの注文だったのである。兵士は南軍接近の知らせに、警備手配....
前哨」より 著者:黒島伝治
年兵の後藤が束ねた枯木を放り出して、頭をあげるか、あげないうちに、犬の群は突撃を敢行する歩兵部隊のように三人をめがけて吠えついてきた。浜田は、すぐ銃を取った。川....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
対も断乎として退け、唯一の友達の野村にさえその目的を洩らさないで、この無謀の挙を敢行する二川は、発狂したとしか野村には考えられないのだった。 第三の質問には、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、この払暁、このハンバー河口の機雷原と高射砲弾幕とを突破して、この地に上陸作戦を敢行する手筈だった――仏天青も、ようやくそれを悟った。 この赤外線標識灯が点火....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
のであったら、もし私が高邁な、あるいは敬虔な向上心に支配されている時にあの実験を敢行したのであったなら、すべては違った結果になったに相違ないし、あの死と生との苦....
貞操問答」より 著者:菊池寛
とても出来そうもない芸当を、アッサリと、威厳と自信とに充ち、優美な態度を崩さずに敢行する、それは新子にとっては、一つの驚異だった。 だが、それを見送って、のど....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
組合というようなところでは、待合芸者結束してボリ屋の一軒を吊し上げるという壮挙を敢行して土地の自粛をはかることはありうる。なぜなら、待合も芸者もその土地について....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
するに在る。国家に対する忠愛の熱情と国政に対する識見とに於て、生死を賭して所信を敢行する勇気とに於て、彼等のみが決して独占的の所有者ではない。吾々は彼等の思想が....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
監視するに止めて前進、十九日敵陣地を攻撃したが増水のため成功せず、二十一日攻撃を敢行した時はサルジニア軍は既に退却していたが、これを追撃してモントヴィ附近の戦闘....