散ずる[語句情報] » 散ずる

「散ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

散ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
厚着にて労働するが為めには実に労るる事多し。且つ畑の傍にて朽木を集めて焼て小虫を散ずるとせり。故に少しの休息間にも、火辺にありて尚炎熱に苦むなり。 予は初めは和....
丹下左膳」より 著者:林不忘
おどろきから立ちなおって、一団にかたまりあっていたのが、わアッ! と叫んで四方に散ずると同時に危険を実感したらしい首領軍之助のどら声が、指令一下、葉末の露を振る....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、帝冠を戴きまぶしきまでに輝いてる皇帝があった。その遠く輝ける人々は、夜のやみを散ずるどころか、かえってそれを一そう痛ましく一そう暗黒になすように彼には思えた。....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ら飢えた狼に肉を見せびらかすと同じことである。すべての悪所に突進して、日頃の鬱を散ずることであろう。その結果彼らに悪習慣を作らしめるのみである。ゆえに欧米各国の....
探偵小説の芸術性」より 著者:中井正一
つつあることを示すかのようである。逃げたるインテリゲンツが、探偵小説にその憂欝を散ずるも、またまさしく意味づけられたる時代 Besinnende Zeit のシニイクな意味ですらあるであろう。....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
のは事実だが、反家庭的かどうかは疑わしいし、家をすてる必然性も疑わしい。金をよく散ずることも事実だが、これも性格であるか、思想であるか、にわかに判じがたいところ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
川方の大将となり官軍を迎え戦いたりとせよ、その結果はいかなるべきぞ。人を殺し財を散ずるがごときは眼前の禍に過ぎず。もしそれ真の禍は外国の干渉にあり。これ勝伯の当....
妖怪学」より 著者:井上円了
法は、神仏の力にあらず、また身体の組織中より出ずる毛髪にあらず。すなわち、空中に散ずるところの塵毛中のやや長くしてかつ大なるものの、手の皮膚面に粘着してかかるこ....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
は疑いなく、そしてそれが流例となって、「後世之に傚ふ」とあってみれば、古来遺骨を散ずるの風のかなり行われていたことは、立派に承認せねばならぬ次第となる。そしてこ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るです。 空を仰げば、銀色の玉兎が雲間に隠顕して居る光景は爛漫たる白花を下界に散ずるの趣あり、足音はそくそくとして寒気|凜然膚に迫るものから、荷持も兵士も顫い....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
なりという。友人曰く、フランスの富をなすゆえん、年々外国人のその地に来たりて金を散ずるによると。政教子このことを聞きて曰く、日本国の富をはからんと欲せば、外国人....
西航日録」より 著者:井上円了
となり、飛んで雪となり、北風これを吹きて片々空中に舞わしむ。あたかも綿片の天空に散ずるがごとし。また奇景なり。一見すこぶる壮快を覚ゆ。当夕、ベルファストに帰る。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
れるが、いま旅宿の庭は秋もたけなわである。) 六日、また快晴。早朝、歩を市街に散ずるに、救世軍の一行(みな婦人)、各街角に銭函を携えて佇立し、来往の人に一ペン....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
同一である。我国では畏くも淳和上皇が遺詔して、御骨を砕いて粉となし、これを山中に散ずるよう命じ給うた。この時に中納言藤原吉野が『昔、宇治の稚彦《わかひこ》皇子が....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
してお前は誰で何をしなさるのか。 童形の馭者 わたしですか。わたしは物を散ずる力だ。詩だ。 自分の一番大事な占有物を蒔き散らして、 そして自分の器を成す....