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散兵
「散兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
散兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
さなかった。 榴弾が破裂するごとに、二、三十人の兵卒を砕いた。一町にも足りない
散兵線は、十分と立たぬ間にまばらになった。大隊長が、まず倒れた。三人の中隊長のう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
のと誇大の報告を聞いたが、雀の方がよほど県郡の知事や俗吏より慧《さと》くたちまち
散兵線を張って食い荒らし居る、それと同時に英国では鳥類保護の声|殷《さか》んに、....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
かく》に中《あた》って五丈ほどの砂煙《すなけむ》りを捲《ま》き上げたのを相図に、
散兵壕《さんぺいごう》から飛び出した兵士の数は幾百か知らぬ。蟻《あり》の穴を蹴返....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
広くなって深さを減ずるようになりましたが、まだ専制時代であったので、横隊戦術から
散兵戦術に飛躍することが困難だったのであります。 横隊戦術は高度の専門化であり....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
数騎を前駆させ斥候せしむるに、敵は既に大窪に退いたと云う。ここに於て、駅の西南に
散兵を布いて形勢を窺う事にしたが、僅かに一個中隊の兵力であった。 日は既に暮れ....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
数の打合が多い。しかし明軍の戦の懸引は部隊部隊を以てして居る。これに対抗するには
散兵戦では駄目である。と云うので、中備を十時伝右衛門、後備は宗茂と定った。準備は....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
露里|距っている部落――C附近をカーキ色の外皮を纏った小人のような小さい兵士達が
散兵線を張って進んでいた。 白樺や、榛や、団栗などは、十月の初めがた既に黄や紅....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
演習にやって来た歩兵の群れや砲車の列や騎馬の列がぞろぞろと通った。林の角に歩兵が
散兵線を布いていると思うと、バリバリと小銃の音が凄まじく聞こえる。寺でも、庫裡と....
「ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
九一七年から二一年までは、時々刻々が燃え立つ革命の年であった。 「十月」と同時に
散兵して、いろいろな文学の陣営についた作家たちは、めいめいの場所で、ソヴェト文学....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
くが、光弾の破裂した時はどんなものだ?」 「三四尺の火尾を曳いて弓形に登り、わが
散兵線上に数個破裂した時などは、青白い光が広がって昼の様であった。それに照らされ....
「婦人雑誌の問題」より 著者:宮本百合子
闘って勝たねばならぬ。勝つために、敵の文化宣伝武器としてのブルジョア婦人雑誌の全
散兵線を、周密に検査しなければならない時に来ているのである。 ブ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
わめて勇敢であった。彼らは無経験のためかえって大胆にやってのけた。ことにみごとな
散兵戦を行なった。
散兵戦における兵士は、多少各自に開放されて、いわば自ら自分の指....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
の前進を眺めていた。 (成る程、遠くまで届くものだな) 近藤は、立木の背後で、
散兵線を作って、整然として、少しずつ前進してくる敵に、軽蔑と、感心とを混合して、....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
とばかり立ちあがり、しどろにはだけたゆかたに白い肌をちらつかせ、一列にならんだ
散兵隊、女軍突進さながらに勢いはげしくおそいくる、その迫力にたじたじと、思わず胸....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
術は「点」の戦法にして単位は大隊なり。横隊戦術は「実線」の戦法にして単位は中隊、
散兵戦術は「点線」の戦法にして単位は小隊を自然とす。戦闘の指導精神は横隊戦術に於....