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散大
「散大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
散大の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
じたのであります。通常眼底を検査するには、便宜をはかるために散瞳薬によって瞳孔を
散大せしめることになって居りますが、アトロピンは眼球の内圧を高める性質があるので....
「連環記」より 著者:幸田露伴
を著わしたのは、此の六条の池亭に在った時であろうと思われる。今存している同書は朝
散大夫著作郎慶保胤撰と署名してある、それに拠れば保胤が未だ官を辞せぬ時の撰にかか....
「麻酔剤」より 著者:田中早苗
酔剤の量が多すぎた。愕然としてマスクを投げだし、あわてて女の眼瞼をあけると瞳孔が
散大して、虹彩が殆んどなくなっているではありませんか。私は『待った!』と叫ぼうと....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
し、睡気を催し、眩暈がしあるいは昏倒し、悪寒が来、嘔気を催しあるいは嘔吐し瞳孔が
散大する。そしてこの有毒アルカロイドをテムリン(Temulin)と称する。 毒....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
私たちは、どうしてよいかサッパリわかりません。右にも左にも踏み出せません。視力は
散大するだけです。それはちょうど人生というものを深く知った達人が此の人生の前に立....
「冒した者」より 著者:三好十郎
で思わない。だのに私は自殺しようとは思わないし、自殺しないだろう。 私の瞳孔は
散大してしまったのだ。既に何一つ見ない。しかしすべてを見ている。そして、ただ見て....