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散見
「散見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
散見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
ょもんしゅう》、公教遺事《こうきょういじ》、瓊浦把燭談《けいほはしょくだん》等に
散見する、じゅりあの・吉助の一生である。そうしてまた日本の殉教者中、最も私《わた....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
たることは、松江へはいるとともにまず自分を驚かしたものの一つである。しかも処々に
散見する白楊《ポプラア》の立樹は、いかに深くこの幽鬱《ゆううつ》な落葉樹が水郷の....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
はそうありそうな事だと存じます。まして、私の妻のような実例も、二三|外《ほか》に
散見しているではございませんか。
私はこう云うような事を申して、妻を慰めました....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
した。彼の実験は、勿論、博士論文を作ろうとするわけでもなく、普通の物理実験教材に
散見する程度のもので、無線電信の時報信号を受けたり、毎日の温度や湿気や気圧の変化....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
より遙かに長かったらしい。霧を伴い、亦屡々豪雨の降ったことは当時の戦記の到る所に
散見して見える。 十重二十重に囲まれ、その上連日の霖雨であるから、いくら遊び事....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
一商店の損失として金銭を以て算当すべきでは無かろう。 古来焚書の厄は屡々歴史に
散見する。殊にアレキサンドリアの文庫の滅亡は惨絶凄絶を極めて、永く後世をして転た....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
れ夫婦」などと言うのを聞くのをかの女は好まない。新聞や雑誌などで、夫婦という字を
散見しても、ひとのことどうでも宜いようなものの、好もしいとはかの女は思わない。 ....
「科学時潮」より 著者:海野十三
かりでなく、時々|紛れ込んで来る熊や鹿や其の他の動物の屍や骨が夥しく死の谷の中に
散見するそうである。 この死の谷の不可思議な謎を解くために学者の一団が探検に赴....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
り昔の象徴詩家が古語によせた情熱と同じものを、今の詩壇の人々の詩語や、文体の上に
散見する事が出来る。象徴的な効果のある、言わばてまの代表とも言うべきものだから、....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
のことをも「えびす」という。鎌倉・南北朝ころの日記・記録・古文書等にはなはだ多く
散見するところなり。征夷大将軍はもと東夷を征する三軍に将たるものの称なり。しかし....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
れている。かれは享保年間に尾州領内をあらし廻った大賊で、その事蹟は諸種の記録にも
散見している。しかし天主閣の鱗をぬすんだというのは嘘かほんとうか、一体どうしてそ....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
たという事実もある。これらはいずれも火葬の目的ではない。しかし僅かに日本紀の中に
散見する、貴顕に関する焼屍の記事のみでもこれだけあってみれば、臣僚庶民の輩に至っ....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
からず、各我が鉢を飛ばせやりて物は受くべしとのたまふ。 とある。この外日記類に
散見するところが甚だ多い。 康平記、康平五年正月二十日条、 左近少将政長為。 ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に興味のある人は精しく知っておられるところであるが、それらの資料のほか、諸歌集に
散見する作も拾いあつめて、伊藤嘉夫氏の『西行法師全歌集』と、尾山篤二郎氏の『西行....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
いて暦のことに与っていたのは由来古いことで、すでに『雑事記』にも所々にその記事が
散見し(文明二年十二月十八日、同七年十二月二十五日、延徳四年正月二十五日、明応元....