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「敦厚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敦厚の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命」より 著者:幸田露伴
実に然り。揚広は子を以てだに父を弑す。燕王の傲慢なる、何をか為さゞらん。敬の言、敦厚を欠き、帝の意、醇正に近しと雖も、世相の険悪にして、人情の陰毒なる、悲む可き....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
り 和気清麻呂《わけのきよまろ》の第五子参議和気|真綱《まつな》は、資性忠直|敦厚《とんこう》の人であったが、或時法隆寺の僧|善※《ぜんがい》なる者が少納言|....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
地方の能楽を率いて洋風滔々の激流に対抗し、毅然としてこの国粋芸術を恪守し、敬神|敦厚の美風を支持したのは翁一人の功績であった。翁は福岡の誇りとするに足る隠れたる....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
る。なんとなれば諺《ことわざ》にも、「世《よ》は情《なさ》け」という通り、人情が敦厚《とんこう》なれば、――もっと砕《くだ》いていえば親切とか思いやりとか誠とか....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
学校へ持って行ったが、目立つので実に弱った。堅紙の表紙に父の「お家流」の見出しが敦厚な書体で書いてあるのが、見る毎に何かの咒文のように私の目に映った。 私がわ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
へんふぼう》といって万人に一人というめずらしい眼相。……天庭に清色あって、地府に敦厚《とんこう》の気促がある。これこそは、稀有《けう》の異才。……さればこそ、こ....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
複雑な味を附加される。又この稜を厭うてカマボコ形に円味でおとす場合もある。これは敦厚な感じである。これと似たのはボールと被装物との間にやわらを入れて、つまり綿入....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
いかにも文化人の粋を為しているのを見「吾久しく東海に君子国ありて、人民豊楽、礼儀敦厚なりと聞き、ひそかに是を怪しみ疑いけるが、いま面り使人を見てその偽ならざるを....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
柴大人の民心把握の偉大な事蹟をたずねた方がこの際特に意味深いであろう。 満州人敦厚の“都門紀変三十首絶句”というのは多分拳匪の乱を謳ったものらしいが、その中の....