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「数える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

数えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ると、次郎は、重い心をいだきながら、立本寺《りゅうほんじ》の門の石段を、一つずつ数えるように上がって、そのところどころ剥落《はくらく》した朱塗りの丸柱の下へ来て....
」より 著者:芥川竜之介
《かみそりきず》だの、ズボンの膝《ひざ》のたるんでいることだの、――そのほか一々数えるにも足らぬ無数の事実を発見した。しかし彼女の顔色は何も気づかぬように冴《さ....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
しこれも大体の気質は、親しみ易いところがある。のみならず信徒も近頃では、何万かを数えるほどになった。現にこの首府のまん中にも、こう云う寺院が聳《そび》えている。....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
かあるいはまたは長袖とかが、楽しみに使ったものだそうだが、今では、これを使う人も数えるほどしかないらしい。 当日、僕は車で、その催しがある日暮里《にっぽり》の....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色《ひわだいろ》の着物をわきにかかえて....
忠義」より 著者:芥川竜之介
ね》が、父の跡をうけて、所司代《しょしだい》として令聞《れいぶん》があったのは、数えるまでもない。その弟の主水重昌《もんどしげまさ》は、慶長十九年大阪冬の陣の和....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
葉だった。彼は犬を好まなかった。犬を好まない文学者にゲエテとストリントベルグとを数えることを愉快《ゆかい》に思っている一人だった。だからこの言葉を耳にした時、彼....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
年ばかりでも知りょうての。」婆はこう云いながら、二三度膝の上の指を折って、星でも数えるようでしたが、やがて皮のたるんだ※《まぶた》を挙げて、ぎょろりと新蔵へ眼を....
婦系図」より 著者:泉鏡花
れにも濡色はなく、ばさばさ燥いで、流も乾びている。そこいら何軒かして日に幾度、と数えるほどは米を磨ぐものも無いのであろう。時々陰に籠って、しっこしの無い、咳の声....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ーマの形骸を備えた至高の存在であった。彼がこの卵の中で神の年の一年間(人間の年で数えると約三〇〇〇〇億年余)休息した後に、主はただ自分の観念の中でこの卵を二分し....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
山ただ一丁場だけれども、線路が上りで、進行が緩い処へ、乗客が急に少く、二人三人と数えるばかり、大な木の葉がぱらりと落ちたようであるから、掻合わす外套の袖も、妙に....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のないものから肉体のあるものに、移り変るには、実に容易ならざる御苦心と、又殆んど数えることのできない歳月を閲したということでございます。一|番困るのは物質という....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
(六)卓子、椅子其他物品の浮揚、(七)物品引寄、(八)直接談話、(九)霊言、等を数えることができる。 かかる霊媒現象が起りつつある間に、彼は幾多の学界の創立に....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
に、バアナアド・ショオの評論を草した。人は彼の戯曲の中に、愛蘭土劇の与えた影響を数える。しかしわたしはそれよりも先に、戯曲と云わず小説と云わず、彼の観照に方向を....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
舟のゆれることを恐れたものである。しかし今日の大川の上に大小の浪を残すものは一々数えるのに耐えないであろう。 僕は船端に立ったまま、鼠色に輝いた川の上を見渡し....