数える程[語句情報] » 数える程

「数える程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

数える程の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
片が所々に見えて、反て風情を添えていた。 未だ昼には間のある事とて、露店商人も数える程しかなく、ホンの子供対手の駄菓子店や安い玩具を売る店などが、老婆や中年の....
」より 著者:島崎藤村
実の留守宅に暇乞に寄る積りで、お種は宿を出た。橋本へ嫁いてから以来――指を折って数える程しか彼女は自分の生家へも帰っていない。その中で、小泉の家が東京へ引越した....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
題とし、本当に之を解決することによって、哲学的考察を推進させようとした哲学者は、数える程しかない、之は否定出来ない事実である。一言で云えば後世の哲学の世界では、....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
然科学や技術家になると、唯物弁証法に就いて真面目に考えて見た者さえ殆んど指で以て数える程しかない。ましてマルクス主義的見地に立ったものは殆んどないとさえ云ってい....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ら僅かに十二三里の地点だが、弥之助の小学校時代には、自転車というものが一年のうち数える程しか通らず、たまたまそれが校門の外を通過することでもあろうものなら、 「....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
でいるじゃありませんか。私は「女性失格」だろうと自分でそう思います。今迄、縁談は数える程しかありませんでした。みんなことわられてしまっておりました。一番最初の縁....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
然インチキそのものである。ゲーリー・クーパーは満員客止めの盛況だが、梅若万三郎は数える程しか客が来ない。かかる文化人というものは、貧困そのものではないか。 然....
生前身後の事」より 著者:中里介山
から決めていた。 当時の※絵は第一回から通じて井川洗※君の筆であった、甚だ稀に数える程洗※君が入営するとか、病気とかいう時に門下の人が筆を執ることもあった、洗....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
る時はいつでもこうした道徳的、感情的な怒りの場合に限っていた。それも一生を通じて数える程しかなかった。それで父の叱責には非常に権威があった。私を初め姉妹たちは父....
梟啼く」より 著者:杉田久女
く長途の困難な旅に苦しめられた弟はどっと寝付いて終ったのである。日本人といっても数える程しかなくやっと県庁所在地というのみで上級の官吏では家族を連れているのは私....
郷愁」より 著者:織田作之助
何か明治の芸道の血みどろな修業を想わせるが、そんな修業を経ても立派な芸を残す人は数える程しかいない。たいていは二流以下のまま死んで行く。自分もまたその一人かと、....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
いいえ、偶にで御座いますよ。日に一度|宛お供が出来ますと好いのですが、月の内には数える程しか御座いませんよ」 「それでは困るねえ、早く婿でも取らなくッちゃア……....
日蔭の街」より 著者:松本泰
、結局穏かにサボイ旅館で晩餐を摂る事にした。 食堂は殆んど満員で、空いた卓子は数える程しかなかった。妖艶な臙脂《べに》色の夜会服を纏ったスペイン人らしい若い女....
緑衣の女」より 著者:松本泰
ようやく粗末な料理店を見付けた。 食事時間を大分過ぎていたので、僅《わずか》に数える程の客があちこちの席に就《つ》いている計《ばか》りであった。卓子《テーブル....