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数え切れない
「数え切れない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数え切れないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
にその煙の末が、所斑《ところはだら》な天の川と一つでいるのを眺めますと、どうやら
数え切れない星屑が、洛中の天を傾けて、一尺ずつ一寸ずつ、辷る音まではっきりと聞き....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
が、いかにも人情を噛み分けた、同情の溢《あふ》るるような判決を被告に下した実例は
数え切れないほどあります。放蕩無頼《ほうとうぶらい》の兄が、父にたびたび無心をし....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
、もっと夥しい数の、かかる惑星を抱えていると考えられる。つまり大宇宙には、本当に
数え切れないほど無数の生物があると思っていいのだ」 「なるほど、それは気味のわる....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
候になると、水草の蔭や浮藻の間に、疣々のある土色の蟇や、蒼白い腹を陽にさらして、
数え切れない程の沢山の蟇が住んでいるのが、彼にも見えた。 「蟇というものは一見す....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の間には、いたち草、小豆草、蓬、蛇ぐさ、人参草、嫁菜、大なずな、小なずな、その他
数え切れないほどの草の種類が頭を持ち上げているのを見る。私は又三月の二十六日に石....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の市中を騒がし、あるいは大寺と大寺とが戦争して人を殺したり火を放ったりしたことは
数え切れないほどある。平安期以来の皇族|公卿たちは多く仏門に帰依せられ、出世間の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
御のおりの諸役人らの通行、のみならず尾張大納言が参府と帰国等、前代未聞の大通行が
数え切れない上に、昨年日光御神忌に際しては公家衆と警衛諸役人らの通行が数日にわた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
志士らと運命を共にしたもの、京都六角通りの牢屋に囚われの身となっていたものなぞは
数え切れないほどある。いよいよ東北戦争の結果も明らかになったころは、それらの恨み....
「帰去来」より 著者:太宰治
別れる事になったのであるが、その時にも実に北さんにお手数をかけた。いちいちとても
数え切れない。私の実感を以て言うならば、およそ二十の長篇小説を書き上げるくらいの....
「獄中記」より 著者:大杉栄
いたずらだ。 その他、こういう種類のお上の御深切から出た「検束」ならちょっとは
数え切れないほどあるが、それは何も僕の悪事でもなければ善事でもない。 とにかく....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
でよい眼を見ようというはずるいことだ。考えてみろ。お前は今までに人情の上から吾に
数え切れない借があろう。それをな、その負債をな。今吾に返すんだ。吾はどうしても取....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
中の物音は申分のない騒々しさであった。と云うのは、心に落着きのないスクルージには
数え切れないほど大勢の子供がいたからであった。あの有名な詩中(註、ウォーヅウォー....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
に入りました。 見ると、部屋の真中には大きな黄金の卓子があり、其囲りに幾百人か
数え切れない程沢山のお婆さんが坐っています。プカと笛吹きとが入って行くとお婆さん....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
頃、神田の夜店の中に交じってコリント台を並べて客を待っているおばさんやおじさんが
数え切れないほどあった。こわい顔のおじさんや、浮かぬ顔をした小僧さんのところより....
「雪の障子」より 著者:島崎藤村
いろいろなものが隠れている。ちょっと思い出して見たばかりでも、幻のように立つ像は
数え切れないほどある。あるものは血をもって雪を染め、あるものは深い雪の中に坐りつ....