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「数の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

数の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
た。かれらは歯がゆく思った。親分を意気地なしと卑しんだ。折角踏みとどまっていた少数の子分もみんな失望して散った。さらでも孤立の次郎左衛門は、いよいよほんとうの一....
鰊漁場」より 著者:島木健作
られている。いいかげん煮熟すると螺旋圧搾器にかけて油をしぼり、鰊粕をとる。その他数の子の製造、白子の乾燥、等々。――漁舎のなかは戦場のような興奮と喧噪のうずまき....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
存を保障される。そしてかくの如き空虚な集団生活の必然的な結果として、愛なき所に多数の子女が生産される。そして彼等は親の保護を必要とする現在の社会にあって(私は親....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、除夜からして町家は町家らしく、明けては屠蘇を祝え、雑煮を祝え、かち栗、ごまめ、数の子を祝えと言う多吉夫婦と共に、明治八年の新しい正月を迎えた。 暮れのうちに....
」より 著者:島崎藤村
頭、お種は豊世と二人で、伊東に年をとった。温泉宿の二階で、林の家族と一緒に、※、数の子、乾栗、それから膳に上る数々のもので、屠蘇を祝った。年越の晩には、女髪結が....
」より 著者:島崎藤村
為に一寸上京した勉を、三吉は甥に紹介した。勉は名倉の母からの届け物と言って、鯣、数の子、鰹節などの包をお雪の方へ出した。 大掃除の日は、塵埃を山のように積んだ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
なものが、ずいぶん珍らしいと見える。さ、それでは、こんど何を差し上げましょうか。数の子など、いかが?」これも、手数がかからなくていい。 「数の子か。」客は悲痛な....
惜別」より 著者:太宰治
は、Pest の疑いがあり、絶望を宣告されたのですが、非常な誤診でした。お正月に数の子を食べすぎただけなんです。日本は、どうも、お正月にはかえって数の子だの豆だ....
露肆」より 著者:泉鏡花
である。 橙背広のこの紳士は、通り掛りの一杯機嫌の素見客でも何でもない。冷かし数の子の数には漏れず、格子から降るという長い煙草に縁のある、煙草の脂留、新発明|....
妖怪学」より 著者:井上円了
、最もこの思想連合よりきたるもの多しとす。まず第一は餅なり。あるいは昆布、煮豆、数の子のごときもしかり。餅は金持ち、子持ち等のもちを願うなりという。これ、音調の....
」より 著者:カフカフランツ
う音が聞こえてきた。Kはこれまでに電話でこんな音を聞いたことがなかった。まるで無数の子供の声のざわめきから――しかし、このざわめきもじつはざわめきではなく、遠い....
西航日録」より 著者:井上円了
煮を食す。よって狂歌を詠む。 正月にそなへる餅も喰ふ餅もみな盆餅と呼ぶぞおかしき数の子あり、煮豆あり、カマボコあり、本邦の正月に毫も異なることなし。「ボンベイ元....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の前に立ちました。某水産技師の講演放送中でありました。 「みなさん、あの何万粒の数の子の中から孵って鰊になるのは、ほんの二、三匹に過ぎないということを聴いて驚か....
俗臭」より 著者:織田作之助
ことがあるのだ。台所にナマコの置いてあるのが眼についた。初乃は、皆んなが先刻から数の子ばかりを酒の肴にしていたのをちらと想い出したので、ナマコの三杯酢をこしらえ....
数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
お正月になると、大概の人は数の子を食う。私は正月でなくても、好物として、ふだんでもよろこんで食っている。な....