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「数取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

数取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ない早わざで数を数えながら、魚を畚の中にたたき込む。漁夫たちは吉例のように会社の数取り人に対して何かと故障を言いたててわめく。一日ひっそりかんとしていた浜も、こ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
光るのさえ、――寂しいとも思われぬ。 (あら可厭だ)……のそれでは無い。百万遍の数取りのように、一同ぐるりと輪になって、じりじりと膝を寄せると、千倉ヶ沖の海坊主....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
処だから、団扇太鼓もだらりと下げて、音も立てず、千箇寺参りの五十男が、口で石段の数取りをしながら、顔色も青く喘ぎ喘ぎ上るのを――下山の間際に視たことがある。 ....
阿亀」より 著者:豊島与志雄
を見守っていた。話はとぎれた。コーンコンという象牙球の音、眠そうなそれでも澄んだ数取りの声、明るい静かな広間、その中に凡てがいい気持に落着いていって、ハバナの煙....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
ずにはいられなかったはずである。 そうしてこの浜の小石というのは、本来はただの数取りではなかったのである。すなわち海の潮をもって、まず身と心を潔くしてから、祈....