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数度
「数度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
数度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
たことである。 主君の御乱行ここに極まるとさえ、嘆くものがあった。 夫からの
数度の嘆願にかかわらず、女房は返されなかった。重臣は、人倫の道に悖《もと》る所業....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
家あるところに出でホッとせり、上高地温泉につきしは九時頃なり、嬉しかりき、温泉へ
数度入り宿泊せり。 二十九日(木曜日) 雨をおかして六時頃温泉発、大正池附近川....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
鑓にて、真柄を掛け倒す。流石無双の大力の真柄も、六十に近い老武者であるし、朝より
数度の働きにつかれていた為めだろう。起き上ると、尋常に「今は之れ迄なり。真柄が首....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
し、ホロリと一滴こぼしたところでそのため眼病になりもしない。一滴の涙が大効を奏し
数度の戦いに心身を練った武田家の遺臣を傭うことが出来たら、こんなうまい商売はない....
「死者の書」より 著者:折口信夫
いた。 ただ一刻ばかり前、這入りの戸を揺った物音があった。一度 二度 三度。更に
数度。音は次第に激しくなって行った。枢がまるで、おしちぎられでもするかと思うほど....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
生命である土地に最も大きな変化を与える怪物であったことは、ジュウタン・バクゲキを
数度にわたって経験した小生に於てすらも、文句なしにこれを認めることができる。早川....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
るようになった。お祖母さまに、ながい闇が裂かれ、光があらわれた……。と思ったのも
数度のあとは糠喜びにおわるのだった。 祖母が、涙をため瞬くまいとする、痛ましさ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
と申しますに我々二人は、政府の機密に参加したり、皇室のご依頼に応じたり、これまで
数度その方面で働いたことがございますので、政府は我々二人の者へ特権を与えてくれま....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
開国文明のためである。 明治天皇は十八歳のお年(明治二年)までに、東海道を往復
数度なさったが、その時のお姿が、白羽二重のお召物に、緋の袴を召されて、お馬だった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
間抑留された。また他の或る日本人は或る工事を請負って職工を捜すため浦塩哈爾賓間を
数度往復したので三カ月の禁錮に処された。日本人という日本人は皆こういう常識では理....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
前の物のみである。しかるに同じ年の大安寺資財帳を見ると、この寺は草創以来明らかに
数度火災に罹ったもので、ことに扶桑略記によれば、近く和銅四年にも炎上し、大安寺碑....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いことを、はっきり知っていた。キャデイズの攻略は、もちろんうまくいった。しかし、
数度の遠征に対して、ベエコンは充分に成功だったとは認めないのである。「噂によれば....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
不思議ではあるが、さもあろうか。
メフィストフェレス(右に向きて。)
数度の突撃が功を奏して、
敵は余儀なく退却します。
まだ覚束ない抗抵を試みながら....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
たが、とんと手掛りが分りません。二人は日ならずお調べに相成りますると、束は是まで
数度人を害したことも有り、又喜代松は矢切の渡場で丈助と申し合せ、勇助を殺したる事....
「山椒魚」より 著者:北大路魯山人
やった時にも、客に出すまでに充分な柔らかさに煮ることができなかった。 こうした
数度の経験によってみると、晩餐に山椒魚を食べようとする場合には、朝方から煮るよう....