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敲き
「敲き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敲きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、何かね、母様は、」 と主税は笑いながら、わざと同一ように母様と云って、煙管を
敲き、 「しばらく御滞在なんですかい。」 「一月ぐらい居るかも知れない、ああ、」....
「親子」より 著者:有島武郎
って退けた。彼にはこれは実に意外の言葉だった。父は黙ってまじまじと癇癪玉を一時に
敲きつけたような言葉を聞いていたが、父にしては存外穏やかななだめるような調子にな....
「春昼」より 著者:泉鏡花
歳ぐらいのと、七八歳ばかりのと、男の児を三人連れて、その中の小さいのの肩を片手で
敲きながら、上から覗き込むようにして、莞爾して橋の上へかかって来ます。 どんな....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ろりと腐敗したままに溜って居る塩水の中に、身体を半分浸しながら、かんかんと鉄※を
敲き落すのである。隣近所でおろす槌の響は、狭い空洞の中に籠り切って、丁度鳴りはた....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
(笊を抱えて立つ)ええ、大事ござんせん。けれども貴客、御串戯に、お杖やなんぞでお
敲き遊ばしては不可ません。 学円 西瓜を買うのではありません。決して敲いてはみま....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
たが――これは初めから成算がなかった。勝手が大分に遠い。座敷の口へ出て、敲いて、
敲きながら廊下をまた一段下りた。 「これは驚いた。」 更に応ずるものがなかった....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
したとお思いなさいまして、お休みになりますまでお使いなすって下さいまし。お背中を
敲きましょう、な、どうぞな、お肩を揉まして下さいまし。それなら一生懸命にきっと精....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
をさえ問わざれば何の望か達せざらむ。」 かくは断乎として言放ち、大地をひしと打
敲きつ、首を縮め、杖をつき、徐ろに歩を回らしける。 その背後より抜足差足、密に....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
それが極度であった。―― やがて、蚊ばかりではない、舞台で狐やら狸やら、太鼓を
敲き笛を吹く……本所名代の楽器に合わせて、猫が三疋。小夜具を被って、仁王|立、一....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
誰も居ないと見定めると、直ぐに、娘をわきへ推遣って、手代が自分で、爺様の肩を
敲き出した。 二人はいい中で居るらしい、一目見て様子で知れる、」 「ほう、」 ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
」 「おお、いい事だ、さあ、ござい、ござい。」 と抱込んだ木魚を、もく、もくと
敲きながら、足腰の頑丈づくりがひょこひょこと前へ立った。この爺さん、どうかしてい....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
こには人情というものがあるわね。まあ、考えてみておくれ。一昨日の晩はじめて門をお
敲きなすってから、今夜でちょうど三晩の間、むこうの麻畑の中に隠れておいでなすって....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
をつけて、朽木の台にひざまずいて縋った、青ざめた幽霊を見た。 横ざまに、杖で、
敲き払った。が、人気勢のする破障子を、及腰に差覗くと、目よりも先に鼻を撲った、こ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、茶の詰襟の服で、護謨のぼろ靴を穿いて、ぐたぐたのパナマを被った男が、撥で掌を
敲きながら、用ありそうに立っている。処へ、私が上りかかると出会がしらに、横溝を跨....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
念発起して世を捨てた。土手の道哲の地内に、腰衣で土に坐り、カンカンと片手で鉦を、
敲き、たたき、なんまいだなんまいだなんまいだ、片手は上下に振っている。ああ、気の....