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「整う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

整うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
たらどうじゃ。そこな侍も山伏も簟《たかむしろ》を敷いたろうな。 「よいか、支度が整うたら、まず第一に年かさな陶器造《すえものつくり》の翁《おきな》から、何なりと....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
むす子にいい聞かせた。それでむす子もその気でいた。 ところが、遽しい旅の仕度が整うにつれ、かの女は、むす子の落着いた姿と見較べて憂鬱になり出した。とうとうかの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
輪のたぐいを毎日買いあるいた。これで先ず不完全ながらも文房具や世帯道具がひと通り整うと、今度は冬の近いのに脅かされなければならなかった。一枚の冬着さえ持たない我....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
り、せめて時間でも遅れさして、鷭が明らかに夢からさめて、水鳥相当に、自衛の守備の整うようにして、一羽でも、獲ものの方が少く、鳥の助かる方が余計にしてもらいたい。....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
光沢を漾わして、怪しく光って、ト構えた体が、何事をか企謀んでいそうで、その企謀の整うと同時に、驚破事を、仕出来しそうでならなかったのである。 持主の旅客は、た....
死者の書」より 著者:折口信夫
い歴史の後、ここ五十年、やっと一つ処に落ちついた奈良の都は、其でもまだ、なかなか整うまでには、行って居なかった。 官庁や、大寺が、にょっきりにょっきり、立ってい....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
るようです。 「気をつけ。」 つつと鷲が片翼を長く開いたように、壇をかけて列が整う。 「右向け、右――前へ!」 入口が背後にあるか、……吸わるるように消えま....
月世界競争探検」より 著者:押川春浪
森のほとりに建て、飛行船を解剖して小さく畳んでその中に入れて、これで一まず仕度は整うた。 月宮号の惨状 雲井文彦と従者の東助は各自ライフル銃を肩にして....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
どに言われるものを無慈悲にお断わり申すわけには参りますまい。勿論、夜の物も満足に整うてはおりませぬが、それさえ御承知ならばお泊め申しましょう。」 「ありがとうご....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
に違った方角に向おうとして居るのに注意したい。「アララギ」同人中、最形の論理的に整うて居た文明の作風が、『ふゆくさ』以後、自ら語の正確さを疑い出したものか、此ま....
作画について」より 著者:上村松園
とになって役立ったのでした。 今ならば美容院で、嫁入り衣裳の着つけその他万端は整うのですが、当時は親類の者が集まってそれをしたものです。 私はいろいろと着つ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
画したるは事実なれども、その計画は造船所の設立、陸軍編制等の事にして、専ら軍備を整うるの目的に外ならず。すなわち明治政府において外国の金を借り、またその人を雇う....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
七輪のたぐいを毎日買いあるいた。これで先ず不完全ながらも文房具や世帯道具が一通り整うと、今度は冬の近いのに脅かされなければならなかった。一枚の冬着さえ持たない我....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
一家の内は和楽して実は悦ばしく過して居たのです。また世間から見ても財産もあり万事整うて居るから非常に安楽であろうとこう見られる訳で私どももつい結構な活計だなと思....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
如き形式的決定を必要としたのであるが、行軍よりかくの如き隊形に開進し、会戦準備を整うる事は既に容易の業でなく、またかくの如き長大なる密集隊形の行動に適する戦場は....