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整然
「整然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
整然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。粟野さんは今日《きょう》も煙草の缶、灰皿、出席簿、万年糊《まんねんのり》などの
整然と並んだ机の前に、パイプの煙を靡《なび》かせたまま、悠々とモリス・ルブランの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ら、次が二百五十円、次が二百円、次が百五十円、末が百円といった工合に長幼の等差を
整然と附けたいというわけだ。 先ず行われている、今の処じゃ。そうしてその子、そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
生存権は最も確実に保障されるだろう。そして社会の内容は益※平安となり、潤色され、
整然たる形式の下に統合されるだろう。 然し――社会にもその動向は朧ろげに看取さ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
な記述によって生じる満足の念は愉悦の最高度に引き上げられるであろう。渾沌の中から
整然たる秩序と巧妙な系統を作り出すだけの能力をもった自然が、その運動の減少のため....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
しいのでありまして、戦争も同じことであります。ギリシャ、ローマ時代の戦術は極めて
整然たる戦術であったのであります。多くの兵が密集して方陣を作り、巧みにそれが進退....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
土瓶やら、茶碗やら、解かけた風呂敷包、混雑に職員のが散ばったが、その控えた前だけ
整然として、硯箱を右手へ引附け、一冊覚書らしいのを熟と視めていたのが、抜上った額....
「春昼」より 著者:泉鏡花
先ず差当り言うことはこれであった。 出家は頷くようにして、机の前に座を斜めに
整然と坐り、 「さようでございます。御繁昌と申したいでありますが、当節は余りござ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
れを。――さぞ、御秘蔵のものでしょう。 博士 御秘蔵ながら、若様の御書物蔵へも、
整然と姫様がお備えつけでありますので。 公子 では、私の所有ですか。 博士 若様....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、肩に斜なその紫包を、胸でといた端もきれいに、片手で捧げた肱に靡いて、衣紋も褄も
整然とした。 「絵ですか、……誰の絵なんです。」 「あら、御存じない?……あなた....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、やがて台湾が日本のものになるなどと、一々申す事がみんな中りまして、号外より前に
整然と心得ているくらいは愚な事。ああ今頃は清軍の地雷火を犬が嗅ぎつけて前足で掘出....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
だの、へ、色々なものが生きていら。」 「何をいってるのよ。」と勇美子は机の前に、
整然と構えながら苦笑する。 「どう遊ばしましたの。」 取為顔の小間使に向って、 ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
も少しばかり、丼に一杯吐いたか吐かぬじゃ。大したことはねえての、気さえ確になれば
整然と治る。それからの、ここは大事ない処じゃ、婆も猫も犬も居らぬ、私一人じゃから....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
したのは、どうして、大した結構なものですぜ。 目鼻立のはっきりとした、面長で、
整然とした高島田、品は知りませんが、よろけた竪縞の薄いお納戸の着物で、しょんぼり....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
娘は門を入ったのである。 「真平御免を。」 一ツ曲って突当りに、檜造りの玄関が
整然と真四角に控えたが、娘はそれへは向わないで、あゆみの花崗石を左へ放れた、おも....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
指揮等は、その有する二傾向の間を交互に動きつつあるに対し、戦闘法及び軍の編成等は
整然たる進歩をなす。 即ち、戦闘法等が最後の発達を遂げ、戦争指導等が戦争本来....