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「整調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

整調の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
だけではなかったかも知れません。たとえば、すでに三十近かった、ぼく達のキャプテン整調の森さんでさえ、出発の二三日前、あるいかがわしい場処へ、デレゲェション・バッ....
科学者と芸術家」より 著者:寺田寅彦
に現われたようなものであったろう。フォークトはその結晶物理学の冒頭において結晶の整調の美を管弦楽にたとえているが、また最近にラウエやブラグの研究によって始めて明....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
目に綜合して見るところから、八つ見橋の名があったそうだが、その屈折した河岸景色を整調するように、遥か西に、目の覚めるような白玉の高御座をすえたのが、富士山であっ....
私たちの社会生物学」より 著者:宮本百合子
心を追っかけることばかりをせずに、自分の心を素早くつかまえて、それを吟味して、整調し健康な場所に置くだけの、精神の運動神経が鍛えられなければならない。スポーツ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
って完全な複化した系全体にまで複合するのである。 三、生物は外界の刺激に応じて整調的に行動するのであるが、かかる反応の仕方の個性は、生物の有つ記憶に基くのであ....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
いう国民主義の一環を指すのだというのである。国内問題としてよりも先に、国家対立を整調するという意味での国際主義の光の中で人民戦線は検閲し直されるべきものだという....
婦人改造と高等教育」より 著者:与謝野晶子
自他の苦痛を作ることはきっと半減するに至るでしょう。女が自分の見識や立案で自分を整調し外界を改造する征服性を欠いて、他人の意匠や指導に従って安易な路に就こうとす....
選挙に対する婦人の希望」より 著者:与謝野晶子
経済的、倫理的現状とに考えて、専ら日本人全体の利害のために国政の本末軽重を取捨し整調する合理的、具体的の意見に富んでいて、しかもそれが選挙民自身の意志を満足せし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うやつは実のあるのよりも担ぎにくいことを常例とする、肩ざわりから言っても、足並の整調の上から言っても、駕籠の中には、どうしても人間相当の重味のあるものが充実して....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
朝霧を破って、なお急調で走って行くくらいですから、昨宵の霧も、昨晩の霧も、同様の整調で破って来たと見なければなりません。 そんならば、同じように、この竹生島め....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
と観《み》たもう。」 巨匠の眼は己《おの》が創造の全体を見渡す。そして手ずから整調を完成する……。 夢想はかくてなし遂げられる。神はほむべきかな……。 真....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の颶風が歩む、 進み、躍り、飛ぶ、さあれただ押移る。 そこには無礙の混雑と不定の整調、 鵠の鳥の光明の胸毛――その断片。 見えざるちからはいつも断片を溺愛し、 ....
競漕」より 著者:久米正雄
をし合った。それからまるで艇のこととは関係のない問題を何か話し合っていた。文科の整調の窪田は農科の舵手の高崎と同じ中学を出て同じく一高に入った親友であった。しか....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
できるぞと彼は感じた。エセックスに受けた私的な恩義と、女王に仕える公的な義務とを整調すること、政府人としての感情と友人としての感情を兼備すること、廉恥心と野心の....