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敵
「敵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
そうである。彼は昔ある対校試合に、左の臂《ひじ》を挫《くじ》きながら、五人までも
敵を投げた事があった。――そういう往年の豪傑《ごうけつ》ぶりは、黒い背広《せびろ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、どうも私とその男との間には、――あるいは私たちとその男との間には、始めからある
敵意が纏綿《てんめん》しているような気がしたのです。ですからその後《ご》一月とた....
「河童」より 著者:芥川竜之介
前《ぜん》にクラバックをつかまえそこなったものですから、いまだにこの音楽家を目の
敵《かたき》にしているのだとかいうことです。
クラバックは全身に情熱をこめ、戦....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
かる? 僕等は戦争の amidst にいるんだ。」
独逸《ドイツ》に対する彼の
敵意は勿論僕には痛切ではなかった。従って僕は彼の言葉に多少の反感の起るのを感じた....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
してなかった。が、翌日瀬沼兵衛の逐天《ちくてん》した事が知れると共に、始めてその
敵《かたき》が明かになった。甚太夫と平太郎とは、年輩こそかなり違っていたが、背恰....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
大きな水柱《みずばしら》を揚げながら、「定遠《ていえん》」の沈没する所もあった。
敵の赤児を抱《だ》いた樋口大尉《ひぐちたいい》が、突撃を指揮する所もあった。大勢....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ぷすが早いか、一声高く嘶《いなな》いて、鼻づらを急に空へ向けると、忽《たちま》ち
敵味方のごったになった中をつきぬけて、満目の高粱畑《こうりょうばたけ》をまっしぐ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
はない。が、出会わずにすませるのは不本意のことも確かである。云わば彼の心もちは強
敵との試合を目前に控えた拳闘家《けんとうか》の気組みと変りはない。しかしそれより....
「女」より 著者:芥川竜之介
蜂の首もとへ跳《おど》りかかった。蜂は必死に翅《はね》を鳴らしながら、無二無三に
敵を刺《さ》そうとした。花粉はその翅に煽《あお》られて、紛々と日の光に舞い上った....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
はんべえ》は佐佐木家《ささきけ》の浪人《ろうにん》でございます。しかしまだ一度も
敵の前に後《うし》ろを見せたことはございません。去《さ》んぬる長光寺《ちょうこう....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
らしい。半三郎は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆している。
「七月×日 俺の大
敵は常子である。俺は文化生活の必要を楯《たて》に、たった一つの日本間《にほんま》....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
通した後《のち》、横柄《おうへい》に煙草をふかし始めた。その姿は見れば見るほど、
敵役《かたきやく》の寸法《すんぽう》に嵌《はま》っていた。脂《あぶら》ぎった赭《....
「初雪」より 著者:秋田滋
うから吹き込んで来て、部屋という部屋のなかはそれで一ぱいになっているようである。
敵のように陰険で、しつッこく、烈しい力をもった透間風である。彼女はどこへ行っても....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、巨人とか、魔法使とか、火を吹く竜とか、あるいはそれに似たもので簡単に退治できる
敵と戦いさえすればよかったし、鉄や真鍮でできた門を通り、鉄石の壁をこえ、城の本丸....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、殺すことなど何とも思ってないのだ。個々の人間などは問題にはならないので、彼等は
敵を殺す、それが戦争なのだ。それは、むかし、小領主の館から館へ、州から州へ行われ....