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「敵う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
少しうろたえて、ひょいと中をのぞくと、まことに、かくのごとく胆が坐っていたのでは敵うものがない。うつらうつらといいこころ持ちそうに夢の国でした。通う夢路は京か三....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
金じゃ。ほら! 手を出せい!」 声もろ共に、ギラリ抜いたのは相模守の一刀です。敵う筈がない! たじたじとあとに引きさがったのを、 「わはは。どうじゃ! いらぬ....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
る程な、一人で、乗込んでくるだけある。わしの手におえる奴ではない。十人かかっても敵うまい――といって一体わしは――江戸へ、このまま戻りも出来んし――一体、何うし....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
でげすが、あれは浅草観音|利益《りやくの》仇討というまくら書きがありやすとおり、敵うち物でげす。宇田川町とは友達でげすので、まあ宇田川町の尻馬に乗ったようなもの....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
るのだ。いつも、相手は多い、いつも、多い。それだのに、自分は独りではないか。到底敵う筈はない。頭を出すとは擲《なぐ》り、頭を出すとは擲りつけて――。今日でも自分....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
でも伯父さんは牛込|名代の真影流の達人だから、手前如きものが二十人ぐらい掛っても敵う訳のものではないよ、其の上|私は剣術が極下手だもの」 國「そりゃア貴方はお剣....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
とを思いながら上唇をペロリとなめ、 「……何が美しいと云ったところで江戸の祭礼に敵うものはまず他にはありませんな。揃いの衣裳。山車屋台。芸妓の手古舞い。笛太鼓。....
夜の靴」より 著者:横光利一
られたかしれん。おれはじっと我慢をし通して来たが、あの大男の力持ちに殴られちゃ、敵うもんじゃない。恐しい力持ちじゃ。」 参右衛門は四十八だ。巨漢である。いつも....
連環記」より 著者:幸田露伴
側に用立てられて、しかも正しい道理のある方に立って物を云われては、定基たるものも敵う筈は無い、差当りだけでも、如何にも御もっともと、降伏せざるを得ないところであ....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
われている沖田さんだけれど、あの病気で衰弱している体で、嘉十郎に斬りかけられては敵う筈はない。……総司さんを討たれてなるものか!……いっそ妾が此奴を!) と、....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
来たが、起きようともがくホーキン氏の上へ折り重なって組み附いた。二十人に一人では敵うべくもなく、見る間にホーキン氏は縛り上げられた。 「むう、さては計略だったの....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
にして詩書に通じ、百家を観たという寧馨児であった。田舎役人の県知事などが、李白に敵うべき道理がなかった。 ある日美人の溺死人があった。 で、県令は苦吟した。....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
したのだから、どの位腕が利くか、ほとんど分らなかった。 「もう止せ。とても俺には敵うまい。ぐずぐずしていると貴様の命はなくなるぞ。や、それでは少し借しい。それに....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
するか知れねえ。幾らお前様が理屈を云ったって、※に逢ったが最後、何んな人間だって敵うものじゃねえから……。」 「じゃア、奴というのは先ず取消にして、兎にかく其の....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
える。例えば、すっぽんは朝鮮にも中国にも産するが、いずれも日本のすっぽんの美味に敵うものはない。ところが面白いことに、朝鮮のすっぽんでも、中国のすっぽんでも、こ....