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「敵前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
のみならずいずれも武装したまま、幾条かの交通路に腹這《はらば》いながら、じりじり敵前へ向う事になった。 勿論《もちろん》江木《えぎ》上等兵も、その中に四つ這い....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
横隊分列をやるのに苦心したものです。何百個中隊、何十個大隊が横隊に並んで、それが敵前で動くことは非常な熟練を要することであります。戦術が煩瑣なものになって専門化....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
、調査委員会の席上で証言をさせられてこんなことを云った。『青軍の危急を救うべく、敵前に於て危険きわまる低空の急旋転を行いたるところ、折柄洋上には密雲のために陽光....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
キュッと扱いて、目を閉じた。「第一師団は、マニラの北方二百キロのリンガイエン湾に敵前上陸し、三日目にはマニラを去る六十キロのバコロ附近まで進出したのじゃったが、....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
、遼陽の戦いに奮戦したときのことです。其のとき柵山南条という二等兵がどうした事か敵前というのに、目に余るほど遺憾な振舞をしたために、皇軍の一角が崩れようとするの....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
人数であった。秀吉が本営名護屋に着いた四月の末頃には、既に行長清正相次いで釜山に敵前上陸し、進んで数城を占領して居る。行長と清正とが一番乗りを争って、清正が勝っ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
で、使番をして「鎗を取れ」と命じた。 これが、兵の心の上に非常な効果を招いた。敵前間近く冑の忍の緒を締め、鎗をしごいて立った兵等の勇気は百倍した。 さしもの....
」より 著者:黒島伝治
。」 副官は双眼鏡を出してみた。 「……敵ですよ。大隊長殿。……なんてこった、敵前でぼんやり腹を見せて縦隊行進をするなんて!」絶望せぬばかりに副官が云った。 ....
火星兵団」より 著者:海野十三
から、我々が火星へ移住するためには、まず火星人とたたかわなければならない。つまり敵前上陸をやるつもりでなければ、この事は失敗に終ると言っている。しかし我々は、こ....
怪塔王」より 著者:海野十三
私は――」 と言ったが、あとは胸せまって、つづけることができません。 「ばか、敵前でなにを女々しく泣くか」 とつぜん兵曹長の怒声が爆発しました。 ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
帰還してくる人々への彼らの教育の仕方を見れば一目瞭然だ。 私は、しかし、まるで敵前上陸するような憎悪をもって祖国へ帰還する人々を罵ろうとは思わない。彼らは悲運....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
刀! たかが南米の蛮人ども、切って捨てるに訳はござらぬ」 日本武士の真骨頂、大敵前後に現われたと見るや、紋太夫は勇気いよいよ加わり、大刀の束に手を掛けながら前....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
。 彼らのやった仕事の主なるものはと云えば、ナホトカからスクラムをくんで祖国へ敵前上陸の筋金入りの人達をたきつけて益々ダダをこねさせたり、坐りこませたりするこ....
」より 著者:織田作之助
た友田が、気の弱い蒼白い新劇役者とされていた友田が「よしやろう」と気がるに蘊藻浜敵前渡河の決死隊に加わって、敵弾の雨に濡れた顔もせず、悠悠とクリークの中を漕ぎ兵....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、敵をしてロンバルデーを放棄の止むなきに至らしめ、敵を追撃して十日有名なるロジの敵前渡河を強行、十五日ミラノに入城した。 五月末ミラノを発しガルダ湖畔に進出、....