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「敵塁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵塁の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
ごとく行われた。時は午後一時である。掩護《えんご》のために味方の打ち出した大砲が敵塁の左突角《ひだりとっかく》に中《あた》って五丈ほどの砂煙《すなけむ》りを捲《....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
夜六時、二俣口の船底山の塁を、間道から襲撃させた。これは成功して隊長本多中尉は、敵塁に火を放って占領を報じて、更に背後の塁を衝かんとしたが、薩軍の抜刀して襲来す....
李陵」より 著者:中島敦
って来なかった。彼らは息をひそめてしばらく外の様子を窺《うかが》った。遠く山上の敵塁から胡笳《こか》の声が響く。かなり久しくたってから、音もなく帷《とばり》をか....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
思う間ものう、ぱらぱらと速射砲の弾雨を浴びせかけられた。それからていうもの、君、敵塁の方から速射砲発射の音がぽとぽと、ぽとぽとと聴える様になる。頭上では、また砲....
我が子の死」より 著者:西田幾多郎
たことを今も記憶している。近くは三十七年の夏、悲惨なる旅順の戦に、ただ一人の弟は敵塁《てきるい》深く屍を委《まか》して、遺骨をも収め得ざりし有様、ここに再び旧時....