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敵影
「敵影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敵影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
る○○に至る。この辺の新しき土はホコリッぽくッて歩きにくい。 前線部隊に編入。
敵影を認めず。 ―――――――――――― 将棋の歩にもいろいろあるが ....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
のない戦争です。敵の戦線は、現に帝都の中に歴然と横たわっているのです。 しかも
敵影は巧みにカムフラージュされて、我々はその覘いどころが見付からないのです。で先....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が、低くなってきたね」 「入口で、三人、やっつけたばかりで、ここまで来ても、更に
敵影を認めず、ですな」 「ちと、おかしいね。どこか、逃げ道が、慥えてあるのだろう....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
七日の戦いに勝ったので、野津三好両少将は、斥候をして迫間川を渉って偵察せしめたが
敵影を見ない。いよいよ追撃を決して本軍(近衛一大隊、第十四連隊の一大隊、山砲臼砲....
「火星兵団」より 著者:海野十三
人とも見えない元気をみせた博士であった。
新田先生は、ガス砲の引金に指をかけ、
敵影めがけて、ねらいをさだめた。
「博士、大丈夫です。用意は出来ました」
「そう....
「空襲警報」より 著者:海野十三
行中ノ敵超重爆撃機四機ヲ発見セリ、直チニ艦上機ヲ以テ急追攻撃セシメタルモ、天暗ク
敵影ヲ逸スルオソレアリ」 これで敵機の強さがわかった。やはりS国が世界に誇る超....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
駈入ったが、敵の姿は一人も見られなかった。 夜がまったく明け放れた。 事実|
敵影はないのであった。 多少の疑惑はあったものの、戦わざるに勝った心地がして、....
「三国志」より 著者:吉川英治
踏み迷って、鞭も折れんばかり馬腹を打って来た。するとまたもや前面にむらがっていた
敵影の中から、カンカンカンカンと※子の音が高く鳴ったと思うと、曹操の身一つを的に....
「三国志」より 著者:吉川英治
。これで敵の手のうちは見えたろう」 曹仁は、自分の達見を誇った。城下にも街にも
敵影は見あたらない。のみならず百姓も商家もすべての家はガラ空きである。老幼男女は....
「三国志」より 著者:吉川英治
知れない。孔明の大軍は瀘水もうしろにして、さらに、前進をつづけていたが、幾十日も
敵影を見なかった。 孟獲は、深く懲りたとみえる。蛮国の中心へ遠く退いて、入念に....
「三国志」より 著者:吉川英治
揚げて、魏の勢が、蜀本陣へ突入して見ると、柵の四門に旗風の見えるばかりで、一兵の
敵影も見えない。のみならず、たちまち山と積んである諸所の柴がバチバチと焔を発し、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、あるかぎりな矢も、これぎりとする大木や大石も、地鳴りとともに降って、崖の肌から
敵影をなだれに捲いて拭き去った。 人海戦術などという意図でなくも、寄せ手はしぜ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
って、河内の二万余騎は、すぐ六波羅の援けに引っ返しましょう。そのあいだ、あるいは
敵影の近々とせまることもございましょうが、ここだけはあくまで静かに、ご籠城をねが....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
士を以て任ず というのが朝廷の本則だった。だからいまや海に陸に逃散する離々たる
敵影を見た公卿たちは、この習例をよい口実に、 「あとは、義貞まかせ」 とし、義....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いた。 が、敵は浜戦を避けているかにみえる。――多々良川の川ぐちまでのあいだ、
敵影は見ず、対岸の名島の高地に、旗、幟、うす煙などが強風下に翻々と狂い舞ッている....