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「敵手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
て、辛くも車の後《あと》に竦《すく》みたりき。乗り合いはますます躁《さわ》ぎて、敵手《あいて》なき喧嘩《けんか》に狂いぬ。 御者は真一文字に馬を飛ばして、雲を....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
と其処に微笑が泛《うか》ぶ。また憂鬱に返る。 だが、彼女は職業の場所に出て、好敵手が見つかると、はじめはちょっと呆《ほう》けたような表情をしたあとから、いくら....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
れも死にもの狂いの形相ものすごく、学士の身体をグッと手許へよせると、骨も砕けよと敵手の頸を締めつけた。学士は朦朧と落ちてゆく意識のうちに、頻りに口を大きくひらい....
少年探偵長」より 著者:海野十三
恐怖してみせるはずはないのだ。 すると、あのヘリコプターは、戸倉老人のためには敵手にあたる連中が乗っていたものであろうか。 この生駒の滝を背景とした血なまぐ....
地球要塞」より 著者:海野十三
の底に落ちていった。 (なんとかして、この危機から脱出したい!) が、私はもう敵手から、到底《とうてい》脱《のが》れ切れないわが運命を悟った。 (おめおめと、....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
、所属の会社を異にしているので、はっきりいえば競争者であり、もっとはっきりいうと敵手である。僕はまだ二十五歳だが、彼は僕より十四五歳も上の先輩だ。しかし仕事の上....
火葬国風景」より 著者:海野十三
房の露子が、この春かりそめの患いからポツンと死んでしまったため、彼は亡妻を争った敵手のことなんかいよいよ忘れてしまったのである。 その鼠谷仙四郎が、こうして久....
流線間諜」より 著者:海野十三
複雑な暗号にぶつかったが、こんな種類のは始めてだった。尚身近くには油断のならない敵手「右足のない梟」がいて、ピストルに隙さえ見出せるならあべこべに彼の生命を脅か....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
をしめて雪を開いた。 「おお、まあ、天晴れ。」 「と、おっしゃって下すった処で、敵手はお汁粉よ。」 「あなたは。」 「え、私は、塩餡。」 「ご尋常……てまえは、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て。」 「何をいうんですよ、馬鹿におしなさいねえ。」 と米は傍から押隔てると、敵手はこれなり、倉は先を取られた上に、今のお懸けなさいましで赫となっている処。 ....
取舵」より 著者:泉鏡花
るのだ。」 渠は快くその席を譲りて、 「そもそも半座を分けるなどとは、こういう敵手に用う易い文句じゃないのだ。」 かく言いてその友は投出したる膝を拊てり。学....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ず作者からもまた仲間はずれにされたのである。 だが、馬琴は出身の当初から京伝を敵手と見て競争していたので、群小作者を下目に見ていても京伝の勝れた作才には一目置....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
コと苦情を聴かされた。二葉亭の言分を聞けば一々モットモで、大抵の場合は小競合いの敵手の方に非分があったが、実は何でもない日常の些事をも一々解剖分析して前後表裏か....
呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
最初のうちは慶四郎は千歳の子守役、千歳が成長するにつれ縁日ゆきの護衛、口喧嘩の好敵手、時には兄妹のような気持にさえ、極めて無邪気な間柄であった。 だが父が、姉....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
山中に圧迫、更に十月九日シュワイドニッツを攻略、ザクセンに向い、ドレスデンは依然敵手にあったが他の全ザクセンを回復し、一部の兵を進めて南ドイツの諸小邦を屈服せし....