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敵方
「敵方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敵方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
甚兵衛は他の若武者と共に細川勢の殿《しんがり》をして戦いながら退いた。その時に、
敵方の一人がしつこく彼につきまとって来た。六十に近い、右の頬に瘤《こぶ》のある老....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だからって、一生懸命に遣ってますの。確か、貴下の先生の酒井さんは、その時の、あの
敵方の大立ものじゃなくって?」 と不意に質問の矢が来たので、ちと、狼狽ついたよ....
「乱世」より 著者:菊池寛
た。夜ごとの寝覚めに、本国に残してきた、うら若い妻を思いながら。 鳥羽伏見で、
敵方に錦旗が翻めくと同時に、味方の足が浮いていつとなく総崩れとなり、淀の堤を退去....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
て、二十九日敵陣へ無二無三に切入り給はんには、味方の勝利疑ひ有るべからず。仮令ば
敵方にて此方の色を察し出向はゞ、その処にて合戦すべし、何のこはきことが候ふべき。....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
、スパイは、敵にも味方にも沢山入り混っていたわけだから、元就のこういう後悔はすぐ
敵方へ知れるわけである。其上、其の頃一人の座頭が、吉田の城下へ来ていた。『平家』....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
身に一つの傷を負わないと云う珍しい勇将であるが、或時若き士達に語って曰く、 一、
敵方より味方勇しく見ゆる日は先を争い働くべし。味方臆せる日は独進んで決死の戦いを....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
した。 その為に大分暇をとった。それでも執拗に追撃の手をゆるめなかったが、突然
敵方に強弓の一壮漢が現れた。九州の住人、須々木四郎と名乗って雨の如く射かけたから....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ひるむ気色もなく、敵に対してどなりつけました。 「う、ううっ」 と、呻っている
敵方の面々は、黒人があるかと思うと、ロシヤ人がよく着ているルパシカという妙な上衣....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
目の前に立ってるじゃありませんか。私を救うためか。 と思うと、どうして、これも
敵方の女将軍。」 「女将軍?ええ、山賊の巣窟かな。」 と山伏はきょとんとする。....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
参加しなかった。これが斬られる原因なのだが、その上に彼が溺れていた女が、どうやら
敵方――つまり、長州の隠密らしいというので……」 「まあ、隠密?」 「うむ。それ....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
、親分、とり逃がしたら事だ」 「姐ごは心変わりしたんですぜ。……今ではあべこべに
敵方で。……ですから親分踏み込んで行って……」 集まっている捕吏の口々から、そ....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
? ……さては名家……その由緒ある篠姫様が……」 ヒューッとその時数條の箭が、
敵方よりこなたへ射かけられた。と、瞬間に正次の眼前、数尺の空で月光を刎ねて、宙に....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
らくはお忍びなされませ。心の底の得知れぬ異国の奴、われわれをだまして誘い出して、
敵方へ人質に渡すなど、あるまいことでもござりませぬ。決して御油断なされまするな。....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
を含む大冊である。二条派の尭孝と相対して、一時の双璧と見られたが、二条派の末輩は
敵方の総帥として過大に敵視し、永享十一年に撰ばれた勅撰和歌集第二十一代の『新続古....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
さしめ、目を以て証明をなさしめる事から起った名かと思われる。「関八州古戦録」に、
敵方の忍びの者を捕えて、後に重ねて敵から紛れ来るものの目明かしにすべしとて、禁錮....