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「敵状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敵状の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
界の歴史には没交渉であろう。しかしこう云う自己欺瞞は民心を知りたがる政治家にも、敵状を知りたがる軍人にも、或は又財況を知りたがる実業家にも同じようにきっと起るの....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
の事であった。気が気でなくなった林通勝は、進み出て云った。「既に丸根の佐久間から敵状を告げて来たが、義元の大軍にはとても刃向い難い。幸に清須城は天下の名城である....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
。忍術というのは明治になっては魔法妖術という意味に用いられたが、これは戦乱の世に敵状を知るべく潜入密偵するの術で、少しは印を結び咒を持する真言宗様の事をも用いた....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
。シャンがいるよ。 ――キイ公、聞いたか。シャンがいるとよ。 ――どれ、俺も敵状視察と行ってくるかな。 同じパッキングにいる温しい女工が、浮かない顔をして....
李陵」より 著者:中島敦
の山間には十日余|留《とど》まった。その間、日ごとに斥候《せっこう》を遠く派して敵状を探ったのはもちろん、附近の山川地形を剰《あま》すところなく図に写しとって都....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ときは、かならずお前をつれてゆく。それを楽しみに待っておれ。今は偵察にゆくんだ。敵状を知らねば、斬りこみようもないではないか」 と、川上機関大尉は持っていた日....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
上であった。 「浮田の家来とあるからは、ちょうど幸い扶持して取らせ、其奴の口から敵状を聞こう」 最所治部はこう云った。で、郷介はその時から最所家の家来となった....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
、ぼくにやらして」 「おまえはまだ小さい、空にあがるだけではなにもならないのだ、敵状を視察することができないと、なにもならない」 「そのくらいのこと、ぼくだって....
三国志」より 著者:吉川英治
、逃げてしまった。 簡単に攻略を終った黄忠は、定軍山と並び占めた位置を利して、敵状偵察に余念がない。 法正はその資料に基いて兵略を立てた。 「敵がもし攻め寄....
三国志」より 著者:吉川英治
え、嘘言に興味を持つ者は斬るぞ」 数日のあいだは、もっぱら守って、附近の要害と敵状を見くらべていた。四冢は前に※水の流れをひかえて、要路は鹿垣をむすび、搦手は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「ご遠謀には、さぞお驚きなされましょうず。では」 「待て待て。いま、そちから敵状の仔細あらまし聞きとったが、もいちど、念のため、覚えをしておきたい」と、尊氏....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て帰すのか。 生かして返さぬまでも、究竟なとりことして、これを責め折檻のすえ、敵状を知る手懸りとするなどは、武門の常識、慣わしといってよい。 「……それなのに....
黒田如水」より 著者:吉川英治
路にも侍していなかった。めずらしく私的な旅行をして歩いていた。 治内の視察か、敵状の検察か。それのみではないらしい。彼はしきりと、 「旧主小寺|政職どのには、....