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「敷妙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敷妙の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
も永く場を塞がれて手を焼くそうであるという。 若い瞳がうち看守る八つの湖、春を敷妙《しきたえ》の床の花原。この間にところどころ溶岩で成れる洞穴があった。形よき....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
ったと思えば、千代紙の小箱に入った南京砂も、雛の前では紅玉である、緑珠である、皆敷妙の玉である。 北の国の三月は、まだ雪が消えないから、節句は四月にしたらしい....
妖術」より 著者:泉鏡花
紫の羅の樹立の影を、星を鏤めた大松明のごとく、電燈とともに水に投げて、風の余波は敷妙の銀の波。 ト瞻めながら、 「は、」と声が懸る、袖を絞って、袂を肩へ、脇明....
海異記」より 著者:泉鏡花
はまだ二十二三。 去年ちょうど今時分、秋のはじめが初産で、お浜といえば砂さえ、敷妙の一粒種。日あたりの納戸に据えた枕蚊帳の蒼き中に、昼の蛍の光なく、すやすやと....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
りぬれば御立せし島に下りゐて嘆きつるかも(同・一八八) ○敷妙の袖交へし君玉垂のをち野に過ぎぬ亦も逢はめやも 〔巻二・一九五〕 柿本人麿 ....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
で、金高蒔絵、青貝を鏤めて隙間なく並べた雛壇に較べて可い。ただ緋毛氈のかわりに、敷妙の錦である。 ことごとく、これは土地の大名、城内の縉紳、豪族、富商の奥より....