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敷居越し
「敷居越し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敷居越しの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
まが》って、本堂の横手にある。障子《しょうじ》を恭《うやうや》しくあけて、恭しく
敷居越しにつくばった了念が、 「あのう、志保田《しほだ》から、画工さんが来られま....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
すま》で半《なかば》塞《ふさ》いであった。余は左右に開かれた襖《ふすま》の間から
敷居越しに余の子供を見たのである。 頭の上の方にいるものを室《へや》を隔てて見....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
虎御前こと丘田お照だったのには、二重に驚いた。 ――やったな。―― と思って
敷居越しに、勝手元を覗きこむと、揚げ板の上には、長火鉢だのチャブ台だの古雑誌だの....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
うちに果せる哉始まった。 合の隔ての襖が一斉に、どちらからともなく蹴開かれて、
敷居越しに白刃が入り乱れ、遂には二つの大広間をブッ通した大殺陣が展開されて行った....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おけ》に汲んで来てくれた水を、竹の柄杓《ひしゃく》で一口飲んで、余水《のこり》を
敷居越しに往還へ投げ捨てて、柄杓を手桶に差し込んでホッと息をつく。 「お茶をいか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 出がけに、程遠からぬ小町塚の庵へ立寄った不破の関守氏は、縁に腰をかけて、
敷居越しにお銀様に向って話しかける様は、 「あいにくのことで、行違いとなりました....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
前にあるが――」
「御持参御願い申したい」
四ツ本が、襖を開けて、膝をついて、
敷居越しに
「申し上げまする」
将曹が
「何じゃ」
「その証拠の品を戻してくれ....
「地上」より 著者:島田清次郎
か、でなければ二階の一室に――かもしれなかった。 空の床に離れて、襖をはずした
敷居越しに、この家の公娼が眠っていた。粗い黄色と黒と小豆色の縦縞の掛蒲団をまるめ....