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敷島の
「敷島の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敷島のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
正さなければならなかった。あるじの大納言師道卿は彼女と親しく向かい合って坐った。
敷島の道には上下の隔てもないという優しい公家気質《くげかたぎ》から、大納言はこの....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おきゃいいんですよ」 「おこるな、おこるな。感心しているんじゃねえかよ。おまえが
敷島の道に心得があるたア、見かけによらず風流人だよ。花が咲くゆえがまんできけり、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。 あられなす矢玉の中は越えくれどすすみかねたる駒の山麓 ふみわくる深山紅葉を
敷島のやまとにしきと見る人もがも 八束穂のしげる飯田の畔にさへ君に仕ふる道はあり....
「狂乱」より 著者:近松秋江
の坐っていた夏座蒲団が、女もそこにいたらしく二つ火鉢の傍に出ていて、火鉢の中には
敷島の吸殻がたくさん灰の中に※してあった。私は腹の中で、ただ呉服物の用ばかりで来....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の側に割込むと、ちょっと頭を下げて皆に挨拶した。そして懐中からぺちゃんこになった
敷島の袋を取出すと、一本抜取ってそれに火をつけた。 「どなたのお言葉か知りまへん....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
千殺しの顛末を考え直すのであった。――果して半次がお千を殺した真犯人であろうか!
敷島の吸殻といい、煙草入れといい、それからまたあの前日の会見の捨て台辞といい、半....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
という名とは関係なく、若しあっても後世の命名であろう。 ○
敷島の日本の国に人二人ありとし念はば何か嗟かむ 〔巻十三・三二四九〕 作者不詳 ....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
るい、しつっこい、安香水のような香のするものであったような気がする。 今の朝日
敷島の先祖と思われる天狗煙草の栄えたのは日清戦争以後ではなかったかと思う。赤天狗....
「愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
これは天理教祖みき子の数え歌だ。 子をなさぬ二人がなかのめぐし子と守りてぞ行かな
敷島の道 これは子どものないある歌人の詠だ。 ブース夫婦、ガンジー夫婦、リー....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
とき「今度はまたよりよき人が与えられるからいい」というふうに思うことはできない。
敷島の日本の国に人二人在りとし思はば何か嘆かむ(万葉巻十三) したがってその人....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
えなかった領域までもよみこなし、量質共に昔の句に優るとも劣ってはいない。 わが
敷島の桜花の美は、近代女流によってあます所なく詠みつくされたと断定しても決して過....
「取舵」より 著者:泉鏡花
まえ。」 例の饒舌先生はまた呶々せり。 「君は何を祝った。」 「僕か、僕は例の
敷島の道さ。」 「ふふふ、むしろ一つの癖だろう。」 「何か知らんが、名歌だッたよ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
う。……清原、恋をしたまえ。一切を捨てて恋に酔いたまえ。 清原 有難う。 文麻呂
敷島の日本の国に人二人ありとし念わば何か嘆かむ、だ。……………知ってるかい、清原....
「草藪の中」より 著者:田中貢太郎
た。 「お茶はたくさんです、どうかおかまいなさらないように」 益雄は思いだして
敷島の袋とマッチを袂から出して煙草に火を点けた。 「やっぱり東京から、お出でにな....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
」 女も口元に笑いを見せてから引返して往った。謙作は宜い気もちになって衣兜から
敷島の袋を出し、その中から一本抜いて火を点け、それをゆっくりと吸いながら、やると....