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敷石
「敷石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敷石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
かでその人が写真に出て来たじゃありませんか。――どこか西洋の町なんでしょう。こう
敷石があって、まん中に何だか梧桐《あおぎり》みたいな木が立っているんです。両側は....
「路上」より 著者:芥川竜之介
、透《すか》すように格子の外を見た。格子の外には、一間に足らない御影《みかげ》の
敷石があって、そのまた
敷石のすぐ外には、好い加減古びたくぐり門があった。初子の視....
「白」より 著者:芥川竜之介
しよう。――じゃお前のお母さんによろしく。」
白はちょいと空を見てから、静かに
敷石の上を歩き出しました。空にはカフェの屋根のはずれに、三日月《みかづき》もそろ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
柏家 三十六 やがて、貸切と書いた紙の白い、その門の柱の暗い、
敷石のぱっと明い、静粛としながら幽なように、三味線の音が、チラチラ水の上を流れて....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
はなかった。 「一つ中へはいって見るかな。」 僕は先に立って門の中へはいった。
敷石を挟んだ松の下には姫路茸などもかすかに赤らんでいた。 「この別荘を持っている....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
内陣から合唱が聞こえ始めた。会衆の動揺は一時に鎮って座席を持たない平民たちは
敷石の上に跪いた。開け放した窓からは、柔かい春の光と空気とが流れこんで、壁に垂れ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
叩頭をした。 女中が二人出て送る。その玄関の燈を背に、芝草と、植込の小松の中の
敷石を、三人が道なりに少し畝って伝って、石造の門にかかげた、石ぼやの門燈に、影を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
儀をした。 そこで、表門へ廻った二人は、と皆連立って出て見ると、訓導は式台前の
敷石の上に、ぺたんと坐っていた。狐饂飩の亭主は見えず。……後で知れたがそれは一散....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
足か、沈んで踏んで、陰気に手水鉢の柱に縋って、そこで息を吐く、肩を一つ揺ったが、
敷石の上へ、蹌踉々々。 口を開いて、唇赤く、パッと蝋の火を吸った形の、正面の鰐....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
とおいでなすったね、おとぼけでないよ。」 とのっけから、 「ちょいと旦那、この
敷石の道の工合は、河岸じゃありませんね、五十間。しゃっぽの旦那は、金やろかいじゃ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、すたすた、どかどか、がらん、うしろを見られる極りの悪さに、とッつき玄関の植込の
敷石に蹴躓いて、ひょろ、ひょろ。…… 「何のざまだ。」 心の裡で呟いた…… 糸....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いめにあうものです。兵隊は、片足をまっすぐに空にむけ、軍帽と銃剣を下にしたまま、
敷石のあいだにはさまってしまいました。 女中と男の子は、すぐとさがしにおりて来....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
かった二階の窓は、急にまっ暗になってしまいました。と同時に不思議な香の匂が、町の
敷石にも滲みる程、どこからか静に漂って来ました。 四 その時あの印度....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
くと斉しく門を開けて透して見る、と取着が白木の新しい格子戸、引込んで奥深く門から
敷石が敷いてある。右は黒板塀でこの内に井戸、湯殿などがあろうという、左は竹垣でこ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
眠たげな、鼠色の娘の目にくれて置いて、灰色の朝霧の立ち籠めている、湿った停車場の
敷石の上に降りた。 * * *....