敷金[語句情報] » 敷金

「敷金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敷金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
く煙管《きせる》で吐月峰《とげっぽう》をたたきつけながら、自分のすぐ後ろにある座敷金庫から十円札を二枚取りだし、乞食にでもやるように、それを園の前に抛《ほう》り....
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
いてこれまで、あまり深い詮索《せんさく》をしなかった。失礼なことだと思っている。敷金のことについて彼はこんなことを言った。 「敷金は二つですか? そうですか。い....
婦系図」より 著者:泉鏡花
汝達の手に渡すもんか。め組の惣助と云う魚河岸の大問屋が、別荘にするってよ、五百両敷金が済んでるんだ。帰れ、と喚くと、驚いて出て行ったっけ、はははは、どうだね、気....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
全地帯と思っているせいであろう。 が、昨日今日、二軒ばかり明きそう。一軒はもう敷金と家賃を払込んで置いた。二十五円という安い家だ。しかし「早く見に来なさい」と....
貧を記す」より 著者:堺利彦
けいなるがごとし。 引ッ越してより五、六日、いまだ飯をたくことあたわず。家主に敷金をやらず、先の宿にまかない料を払わず。こんどの引ッ越しすべて背水の陣なり。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の調達を引き請け、暮れに五十両の無尽を取り立ててその金は福島の方へ回し、二番口も敷金にして、首尾よく無尽も終会になったところで、都合全部の上納を終わったことを届....
分配」より 著者:島崎藤村
出し合い、三十円ばかりの家を郊外のほうに借りて、自炊生活を始めたいと言い出した。敷金だけでも六十円はかかる。最初その相談が三郎からあった時に、私にはそれがお伽噺....
田舎教師」より 著者:田山花袋
六畳、前に小さな庭があって、そこに丈の低い柿の木が繁っていた。家賃が二円五十銭、敷金が三月分あるのだが、荻生さんのお友だちならそれはなくってもよいという。父親も....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
にしても、小女を置くにしても私の性分として矢張し自分の心を使わねばならぬ。それに敷金なんかは出来ようがない。少し纏まった銭の取れる書き物なんかする気には何うして....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
ホクホク物で居るのも可笑しい。これでさえもこれほどなんだから左近右衛門の娘に衣類敷金までつけて人のほしがるのも尤である。此の娘は聟えらびの条件には、男がよくて姑....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
計一割五分の高利を払って借金した。 この高利には閉口した。ほかに預り金と貸家の敷金と、併せて九千余円の借金になった。この時のことである、私は国元へ墓詣りに行く....
烏恵寿毛」より 著者:佐藤垢石
椅子、卓子までつけて、金百円でよろしいというのだ。天の恵みである。家賃が三十円の敷金が三つの九十円。まだ百円あまり残っている。一日、大工を雇ってきて、店をめし屋....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
はいかにも誂え向きという家ですから、早速話を決めました。 その頃のことで、別に敷金を取るでもなく、大屋さんへちょっと手土産をする位で何んの面倒もなく引き移りま....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
っている。その癖もう八月に入ってるというのに、一向花が咲かなかった。 いよ/\敷金切れ、滞納四ヵ月という処から家主との関係が断絶して、三百がやって来るようにな....
俗臭」より 著者:織田作之助
しましてん。大阪に戻ると、早速紙屑屋をはじめた。 所持金三十円の内、六円家賃、敷金三ツの平屋を日本橋五丁目に借りた。請印は、伝三郎が働いている寿司屋の主人に頼....