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斃死
「斃死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斃死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に行っているそうで、長屋の者もみんな褒めていますよ。それにね、長屋の奴らは猫婆が
斃死って好い気味だぐらいに思っているんですから、誰も詮議をする者なんぞはありゃし....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のを、貞造が知っています。 阿母が死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉に二|頭
斃死た馬を売って、自暴酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、粥も薄くな....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
した顔になって応えた。「さっきも言ったとおり、これを直ぐ開けたんでは、動物が皆|
斃死してしまいます」 「しかし人間の生命には代えることは出来ません」 「なに人間....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
し出されているのであった。 懐中電灯は静かに動く。――そして函の陰へ隠れている
斃死者の顔面を照らし出す。まず、目につくのは、鋭い刃物で抉ったような咽喉部の深い....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、アイヌの古城址なるチャシコツを見る。※別は一目だ。関翁は此坂の上に小祠を建てゝ
斃死した牛馬の霊を祭るつもりで居る。
夕方三人で又一君宅の風呂をもらいに行く。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
法は、毎人鏡を手にして向えば、彼の眼力鏡に映りて、その身を返り射《い》、やにわに
斃死《へいし》せしむるのだったという(ブラウン『俗説弁惑《プセウドドキシア・エピ....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
は「頽馬」「提馬風」また濃尾地方で「ギバ」と称するもので、これは馬を襲ってそれを
斃死させる魔物だそうである。これに関する自分の知識はただ、磯清氏著「民俗怪異篇」....
「アワァビット」より 著者:宮本百合子
あの痩せ衰え骸骨のようになったロシアの子供等が、往来に――恐らくこれも飢から――
斃死《へいし》した駄馬の周囲に蒼蠅のように群がって、我勝ちに屍肉を奪い合っている....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
連れてここへ来る手筈じゃった、猿は、留木から落ちて縁の下へ半分|身体を突込んで、
斃死ていたげに云う……嘘でないな。」 「実説正銘にござりまして、へい。餅屋|店で....
「パラティーノ」より 著者:野上豊一郎
に、また一面軍備を拡張して世界経営の野心を抱くようにもなり、ユリウス・ケーサルの
斃死(前四四年)を転機として帝政時代に入り、最初の皇帝アウグストゥス・ケーサルの....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
したり、子を生まなくて乳牛の用をなさぬようになればこれも屠殺場に送られる(病牛や
斃死した牛は食用として許されません)のです。 こう考えて来るとあなた方の胸にも....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
役に堪えざる老牛馬といえども、決してこれを殺す事は出来ない。したがって牛馬はその
斃死するを待ってエタの手に渡し、その皮を剥いで社会の必要品たる皮革の原料を供給せ....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
役に立たぬ様になった牛馬でも、飼主はこれを飼い殺しにしなければならぬ。そしてその
斃死したものは屠者に渡す。屠者はその皮を剥ぎ肉を割き、ついでにこれを喰う。これが....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
古来かなり多かった事であるに相違ない。これらの老いて役に堪えなくなったもの、また
斃死したものの始末をどうしたであろうか。 言うまでもなく我が国においても太古は....
「狐」より 著者:永井荷風
らし》の寒い風にのたうち廻《まわ》って、その場に生白《なまじろ》い腹を見せながら
斃死《くたば》ってしまうのも多かった。安は連れて来た職人と二人して、鉈《なた》で....