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「文使い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

文使いの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た」と、徳寿は見えない眼をとじて頭を下げた。「お察しの通りでございます」 「その文使いをする相手は誰だ」 「それは辰伊勢の若旦那でございます」 半七と庄太は顔....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
る。父は毎朝小銭を四十文ずつ火打袋にいれてお役所に行くのです。きょうはお役所で三文使い、火打袋には三十七文残っていなければならぬ筈のところ、二十六文しか残ってい....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
て、おもわず胸をおどらせながら立ち止まっていると、落葉の音だけをあとに残してその文使いは自分の傍を過ぎていってしまう。突然、亡き愛人と逢った日の事などが苦しいほ....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。結婚の後朝の使いとして特別な人を宮はお選びになったのではなく、これまで宇治へ文使いの役をしていた侍童だったのである。これはわざとだれにも知られまいとの宮のお....
雪の宿り」より 著者:神西清
わたくしとしましては只そのお心根がいじらしく、おん痛わしく、お頼みにまかせて文使いの役目を勤めておったのでございます。お目にかかる折々には、打融けられた磊落....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
の娘の背中を流す女中衆さんから聞き出したことで……私は、いつも其家此家の女たちの文使いをして遣りまするで、蔵元屋の女中さんも、詳しゅう話いて聞かせました上に、ど....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
につけても憎いは侍従という女め、由ないことを父上の前で吹聴して、あまつさえ忍びの文使いの役目までも引き受くる。あのような者がお側にあっては、父上のためには勿論、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
然であった。 いずれにしても、お通はここから今では無断で出ることは許されない。文使いをやるにしても、宿の者の手を経なければ出来ない芸だし、結局、城太郎の訪れを....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
みならず俵同心、近頃ではこの鳩を、わが分身のごとく操り、腹心の人、常木鴻山の所へ文使いさせたり、万吉を呼びにやったり、妹の所へ飛ばせたりする。 妹はお鈴という....
私本太平記」より 著者:吉川英治
高氏の姿を辻で見た。 明日は。今日は。 と次の機会を待った。しかし男からは、文使いもない。彼女は毎日のように、足利屋敷のある大蔵の辺を、朝夕にうろついていた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。 彼のそんな気がかりは、なぜかといえば、ゆうべ佐々木道誉から兄高氏へ、意外な文使いがあったのである。 ――扨々、御不音ひさし。その後は、侘びられつつも、華雲....