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文具
「文具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
を出しに参りましたので、そのついでに私は大急ぎで遠まわりをしまして、裏町の小さな
文具屋兼業の雑誌屋からその月の「歌舞伎時代」という雑誌を一冊買って参りました。そ....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
ほどの娘が営んでいる生活とは全く没交渉であるように見えた。僅に地主の次男が出した
文具店が一軒あり、その店からは主家に非常ベルがついていた。古くからの駐在所も角に....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
その横通りには、昔から屋敷の間にはさまって、日本橋の方に店をもっている有名な書籍
文具店のインク製造工場があった。丁度そこがひけどきで、小さい銀杏がえしや束髪にし....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
に事務室《カントーラ》の前をとおりすぎた。事務室《カントーラ》の白い戸には三越の
文具部にあるインク・スタンドの通りな碧硝子のとってがついていて、執務時間第八時よ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
頭をひどくやられた私は、入院して約一カ月の間仮死の状態で暮してしまった。その間に
文具屋は廃業され、R子の家の方もほぼ片づき、私はある寺院で出家させることにまで、....
「五月の空」より 著者:宮本百合子
とも 昼のとも そして わが一生の友、原稿紙。 一ひら 一ひら、お前を、 市井の
文具店の蔵から迎えよせ 私の周囲には、次第に多くのまといが出来た。 それ等の声に....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
っかりまいってしまい、平謝りに謝った。先生は、私の机の中にのこっていたものを一切
文具屋に返しに行ってくれた。私はその日から、立派な金銀の甲冑をはがされた武士のよ....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
ているように思われるのであった。 大学の玄関の左側にはちょっとした売店があって
文具や、それから牛乳パンくらいを売っていたような気がする。オペラ、芝居、それから....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
行って、おばあちゃんは極楽だったそうです。タア坊にエリ巻の可愛いの、健ちゃんには
文具。それが私のおくりもの。 四時頃うちへかえり、お風呂に入り、それからねて、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
十一月二十二日 もう手紙に白い紙を使うということは出来ないのかもしれませんね、
文具やに封筒はあるけれども帖面も書簡箋も何もなしとなりました。「幻滅」に、製紙上....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
切った魚やへ行きました。魚やは初めてよ。三人で冷凍のタラ三切。三十銭也。となりの
文具やへよったら封筒らしいものは一つもなし。坂を又のぼって下駄やへよったら隣組配....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い快活優美な小さな道具をもってした、すなわち、戸棚《とだな》、本箱と金縁の書物、
文具箱、吸い取り紙、真珠貝をちりばめた仕事机、銀めっきの化粧箱、日本陶器の化粧道....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
ある。室内は大混雑をしていた。二脚の椅子は引くり返り、卓子は壊れ、その他置時計や
文具箱などはみんな床の上に散らばり、あたりに飛び散っている白紙にはそこここに血潮....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
……。 通りを三町程行くと、道をはさんで荒物屋、郵便局、床屋、農具店、種物屋、
文具店などが二、三十軒並んでいる「市街地」に出る。――由三は坊主頭と両肩をジュク....
「伝通院」より 著者:永井荷風
以前この辺の町には決して見られなかった西洋小間物屋、西洋菓子屋、西洋料理屋、西洋
文具店、雑誌店の類《たぐい》が驚くほど沢山出来た。同じ糸屋や呉服屋の店先にもその....