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「文名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

文名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
中尉は保吉の小説を批評している読売新聞の月評を示した。月評を書いたのはまだその頃文名を馳せていたN氏である。N氏はさんざん罵倒《ばとう》した後《のち》、こう保吉....
男女同権」より 著者:太宰治
って銭《ぜに》を与う」というのでありまして、之《これ》を以《もっ》てみても、私の文名たるや、それは尊敬の対象では無く、呆れられ笑われ、また極めて少数の情深い人た....
服装に就いて」より 著者:太宰治
翁の姿を思い出した。今の此のむずかしい世の中に、何一つ積極的なお手伝いも出来ず、文名さえも一向に挙らず、十年一日の如く、ちびた下駄をはいて、阿佐ヶ谷を徘徊《はい....
虚構の春」より 著者:太宰治
恥じるところなし。顔をあげて歩けよ。クロ。」 「太宰様、その後、とんとごぶさた。文名、日、一日と御隆盛、要《い》らぬお世辞と言われても、少々くらいの御|叱正《し....
女の決闘」より 著者:太宰治
ます。その一つは、好色の念であります。この男は、よわい既に不惑《ふわく》を越え、文名やや高く、可憐無邪気の恋物語をも創り、市井《しせい》婦女子をうっとりさせて、....
山月記」より 著者:中島敦
に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺《のこ》そうとしたのである。しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐《お》うて苦しくなる。李徴は漸《ようや》く焦躁《....
斗南先生」より 著者:中島敦
るような気がして、神経質の三造には、堪えられないのである。が、また、一方、伯父が文名|嘖々《さくさく》たる大家ででもあったなら、案外、自分は得意になって持って行....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
、事物の客観的状態をハッキリと読み取らせる処にあるのだ。匿名や無記名や、又変名や文名で書く時に、調子が落ちたり乱れたりする人間は、元来批評家としての資格はないの....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
起て、また俳事に関する蔵書に富んでいた医学士の大野洒竹氏、新聞上で筆を執って一時文名を馳せていた田岡嶺雲氏、この二人はもう亡くなった。文学の専門家で、傍らいろは....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
ほんとうかね?」と私は尋ねた。「兄弟が二人あるということは聞いているし、二人とも文名はある。だが、たしかあの大臣のほうは微分学についてかなり博学な著述があったと....
十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
り、それも大したものではなかった。そして当時十一谷君は「唐人お吉」を書いた後で、文名隆々たる頃だった。然るに、後になって「昭和三年――この年、しきりに死を念う。....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
京伝は文化十三年馬琴に先んじて死し、馬琴はそれ以後『八犬伝』の巻を重ねていよいよ文名を高くし、京伝に及ばずと自ら認めた臭草紙でも『傾城水滸伝』や『金毘羅船』のよ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
力(助)編輯め、女の徳だ、などと蔭で皆|憤懣はしたものの、私たちより、一歩さきに文名を馳せた才媛です、その文金の高髷の時代から…… 平打の簪で、筆を取る。……....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
続いて同じ年の暮れに『ひとよぎり』を出版し、二葉亭に先んじて逸早く嵯峨の屋お室の文名を成した。 二葉亭の初めての試みはゴーゴリの飜訳であった。が、世間には発表....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
時に即興の色合いをおびながら、実は粒々辛苦の結果であるのを見ればわかる。 彼の文名は、形の上ではまことに微々たる小品、スケッチ、コント風の短篇、など、一風変わ....