文字[語句情報] »
文字
「文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
空へ舞い上って、青雲《あおぐも》の向うにかくれている、遠い生駒山の峰の方へ、真一
文字に飛び始めました。
三
やがて髪長彦《かみながひこ》が....
「影」より 著者:芥川竜之介
スの窓掛けを洩《も》れる夕明りに、女持ちの金時計を眺めている。が、蓋の裏に彫った
文字《もじ》は、房子のイニシアルではないらしい。
「これは?」
新婚後まだ何日....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
元の如く、三浦を相手に賑な盃《さかずき》のやりとりを始めました。ですからその夜は
文字通り一夕の歓《かん》を尽した後で、彼の屋敷を辞した時も、大川端《おおかわばた....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、いろいろな物を持って来ました。いや、そう云う宝よりも尊い、霊妙《れいみょう》な
文字さえ持って来たのです。が、支那はそのために、我々を征服出来たでしょうか? た....
「河童」より 著者:芥川竜之介
れからまた上には河童の使う、ちょうど時計《とけい》のゼンマイに似た螺旋《らせん》
文字が一面に並べてありました。この螺旋
文字を翻訳すると、だいたいこういう意味にな....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》の妹壻《いもうとむこ》が浅野家《あさのけ》の家中にある事を知っていたから、まず
文字《もじ》が関《せき》の瀬戸《せと》を渡って、中国街道《ちゅうごくかいどう》を....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
道人は紫檀《したん》の小机の上へ、ぱらりと三枚の穴銭を撒《ま》いた。穴銭は一枚は
文字が出たが、跡の二枚は波の方だった。道人はすぐに筆を執って、巻紙にその順序を写....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
の台座の銘《めい》をお読みにならなかったでしょう。御覧なさい。此処に刻んである横
文字を。――DESINE FATA DEUM LECTI SPERARE PRE....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
がら、春めいた山だの畠《はたけ》だのを眺めていたように覚えている。いつか読んだ横
文字の小説に平地を走る汽車の音を「Tratata tratata Tratata....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
います。それでも合戦《かっせん》と云う日には、南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》と大
文字《だいもんじ》に書いた紙の羽織《はおり》を素肌《すはだ》に纏《まと》い、枝つ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
法の書物を拡げながら、頻に呪文を唱えていました。書物は香炉の火の光に、暗い中でも
文字だけは、ぼんやり浮き上らせているのです。 婆さんの前には心配そうな恵蓮が、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
さないのである。が、ふと手にした一枚の封筒が私をはッとさせた。封筒の上には大きな
文字で太く私の名が書かれてある。それを見ていると私の双の眼に泪が一ぱい涌いて来た....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
たガンパウダーのやせほそった脇腹を滅多打ちにした。馬は、鼻息もあらあらしく、真一
文字に走りだした。ところが、橋のまぎわまで来ると、はたと立ちどまり、不意をくらっ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙な新聞社通いが始った様であった。 農民時代から
文字通り理想的な晴耕雨読か、それとも晴読雨書なのか、姿こそ農民であっても、一たん....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
の太郎右衛門に渡しました。太郎右衛門はそれを拾って見ると、その紙片に、下のような
文字が平仮名で書いてありました。 「ゆえありて、おとこのこをすつ、なさけあるひと....