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文弱
「文弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
。父の教えた所によれば、古い一冊の玉篇の外に漢和辞典を買うことさえ、やはり「奢侈
文弱《しゃしぶんじゃく》」だった! のみならず信輔自身も亦|嘘《うそ》に嘘を重ね....
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
を失なわしむ 普通出版界に普及せし悪影響 融通金主の当惑 多数少国民を荼毒せし
文弱化 印税成金の堕落 広告不信認の悪例を作りし罪 国産用紙の浪費 批評不公正の....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
であった。彼は師の信西入道をも驚かすほどの博学で、和歌に心を寄せる兄の忠通を常に
文弱と罵っているほどに、抑えがたい覇気と野心とに充《み》ち満ちている人物であった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
自慢そうに話した。併しその口ぶりによると、大三郎はそういう質の子供に免がれがたい
文弱の傾向があるらしかった。容貌も優しいとともに、その性質も優しい柔順な人間であ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
はいい。しかしこれほどに武を憎む国民は世界の優勝国民になり得ない。シナはあまりに
文弱であり過ぎる。これと反対の一例を私が実験しているだけに、この際いよいよその感....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
が、此の如き母性愛を主とせる家庭に人となり、且つ平生若き女性に接する機会を有する
文弱明敏、且つ発育円満なる少年に有り勝ちの特徴として事件発生前より、既に十分の性....
「今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
るかもしれない。日本歴史では平家の壇の浦の最後を、清盛からはじまる平家のおごりと
文弱に原因をおいて話すのが普通でもある。 けれども、すこし落付いて自分たちの周....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
になるということも真面目に考えている」と話したそうです。文学もこういう時代を経て
文弱ならざるものに到達するのでしょう。 高見順がこの頃『東京新聞』に「東橋新誌....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
すから、にわかに人選して採用いたした未経験者でござるが、書生あがり、小才の利いた
文弱な若造でございます。彼が密偵に入ってすでに半年、なんらの見るべき成果もあがら....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は、彼らが一様にいわゆる豪傑風の武骨者ではないことだ。むしろ豪傑の蛮風から見れば
文弱と称してよろしいほど、礼節正しく、常識そなわり、円満温厚な青少年のみ集めてい....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
不健全だというのも偏見だ。肉体的に健康だって精神的に健康だとは限らない。武士には
文弱という思想があるし、農村へ行くと牛馬なみの働き者や力持ちが健全で、虚弱人や読....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
意《ごくい》にして、目下の急は武備を拡張して士気を振起するにあり、学校教育の風も
文弱に流れずして尚武《しょうぶ》の気を奨励するこそ大切なれとて、その針路に向うと....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
、かつて憚《はばか》る所なきは、その由来、けだし一朝一夕のことにあらず。我が王朝
文弱の時代にその風を成し、玉《たま》の盃《さかずき》底なきが如しなどの語は、今に....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
士はすなわち孔子のいわゆる北方の強者にして、元来夷狄の長とするところなれば、当時
文弱に流れ、優美を宗とせる京師の※紳より、これを賤みて夷と称せしものならんと。し....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 その途中を、廊に待って、魯粛はまた、自分の主張を切言した。 「彼らの多くは
文弱な吏と、老後の安養を祈る老将ばかりです。君に降服をおすすめするも、ただただ、....