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文房
「文房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
から蘭《らん》を刻んだ孟宗《もうそう》の根竹《ねたけ》の筆立て――そういう一切の
文房具は、皆彼の創作の苦しみに、久しい以前から親んでいる。それらの物を見るにつけ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
はりつけてあった。為替を組むことを知らないのである。お君は豹一が塾で授業料や書籍
文房具代のほかは月一円の小遣しか貰っていないと知ると、内職の針仕事で儲けた金を豹....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
。しかし、それまで本屋というもののまるでなかった、ただある一軒の雑貨屋が教科書と
文房具との店を兼ねていただけの新発田では、それでも十分豊富な本屋だったのだ。僕は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
女中は火鉢や盥やバケツや七輪のたぐいを毎日買いあるいた。これで先ず不完全ながらも
文房具や世帯道具がひと通り整うと、今度は冬の近いのに脅かされなければならなかった....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
各自に焼残りの商品を持てるだけ抱えては後から後からと出て来た。 焼残りの書籍や
文房具や洋物雑貨が塵溜のようにゴッタに積重ねられて隅々を塞げていた。其傍に無残に....
「小公女」より 著者:菊池寛
知りたいものよ。私、私、ほんとに――」 いいかけてセエラは、ふとテエブルの上の
文房具箱に眼をとめました。紙や、封筒や、インクや、ペンの入ったその箱は、一昨日こ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ら二・三軒先きにあるブランド町の二番地に、ジョージ・リボーという人の店があった。
文房具屋で、本や新聞も売るし、製本もやっていた。リボーは名前から判ずると、生来の....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
ぶとき、今も猶お悵恨の腸を傷めずにはいられぬものあるが、この附近には古画や古本や
文房具の類を商なっている店が軒を並べて一廓を成している町がある。つまりセインス街....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
て、原稿紙からインキの色までを気にする文人らしい趣味や気分を少しも持たなかった。
文房粧飾というようなそんな問題には極めて無頓着であって、或る時そんな咄が出た時、....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
女中は火鉢や盥やバケツや七輪のたぐいを毎日買いあるいた。これで先ず不完全ながらも
文房具や世帯道具が一通り整うと、今度は冬の近いのに脅かされなければならなかった。....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
富貴長命という字が模様のように織りこまれた袋の中には、汚れた褞袍、シャツ、二三の
文房具、数冊の本、サック、怖しげな薬、子供への土産の色鉛筆や菓子などというものが....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
。もちろん父の了解を得ず入学したものだから、家を飛び出して馬喰町の友人が経営する
文房具店で働きながら勉強した。そのころは第一次大戦は終り、ロシア革命などの影響も....
「気にいらない鉛筆」より 著者:小川未明
中のきよは、たまげたように、赤いほおをしてたずねました。 「本屋にもあれば、角の
文房具屋にだってあるだろう。」 次郎さんは、そういうとあわててくつをはいて、 ....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
道楽から店を半分に切って一方を薬房、一方を書房とし、書房では支那の筆墨硯紙その他
文房具風のものや、書籍などを売っていた。唐紙の様な紙を太くこよりの様にしたのに火....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
箋の技術を残す必要があるというので、鄭振鐸と一緒に、北京の栄宝斎など十軒ばかりの
文房具屋の便箋の版木五千ばかりのうちから、四百六十何枚を選んで北平箋譜というのを....