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文筆
「文筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
この男はその手紙によると、二十一の年に聾《つんぼ》になって以来、二十四の今日まで
文筆をもって天下に知られたいという決心で、もっぱら読本《よみほん》の著作に精を出....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
人の考えに文学というものはまことに気楽なもののように思われている。山に引っ込んで
文筆に従事するなどは実に羨《うらやま》しいことのように考えられている。福地源一郎....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ムの外に、別に本名によって或る本職を持っているのだった。それは相当立派な役柄で、
文筆による原稿稼ぎよりも、ずっと将来も有望なる職業だった。その職業に取付いたばか....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
唯むやみにもう一度かの女に会い度いという意慾の単独性が、露骨に現われて来ていた。
文筆を執ることを職業として、しじゅう名前を活字で世間へ曝らしているかの女は、よく....
「河明り」より 著者:岡本かの子
いじゃありませんか」 この叔母は、私の生家の直系では一粒種の私が、結婚を避け、
文筆を執ることを散々嘆いた末、遂に私の意志の曲げ難いのを見て取り、せめて
文筆の道....
「金属人間」より 著者:海野十三
んじょうであるけれど、農業のほうではなく、手の指や頭部《とうぶ》の発達を見ても、
文筆労働者《ぶんぴつろうどうしゃ》でもなく、所持品から考えても商人ではない。けっ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
き神は宿る。ここに三人の凝視の中に、立って俥を呼んだ手の、玉を伸べたのは、宿れる
文筆の気の、おのずから、美しい影を顕わしたものであろう。 あたかも、髑髏と、竹....
「女性崇拝」より 著者:岡本かの子
客間だけの女性尊重で、居間へ入ると正反対だという説がある。 事実、英国人ぐらい
文筆上で女性に対し諷刺や皮肉を弄し、反感を示している国民は少い。バーナード・ショ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ら精神的な理由もあったが、とにかくそう考えて生活転換をした矢先なのである。だが、
文筆生活などをしていると、一文なしになることなんかもはや不感症以上で、「二三日し....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
、あの「アジアは一なり」で始まる『東邦の理想』一巻二四四ページである。 かかる
文筆の上の飛躍も因を成して兄は、米国最高の文芸の府をもってみずから誇るボストンの....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
」の早乗三次、「髪結新三」の家主長兵衛など、いつまでも好劇家の話柄に残れり。彼は
文筆の才ありて『手前味噌』『絶句帳』などの著述あり。 ○三月、中村福助の人気頂上....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
あっても、全く社会的の要素のふくまれていないものはないとも言えるだろう。それ程、
文筆に従事する者は、常にその時の調子一つで、その何れにもあり得るのだ。世間に妥協....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
ているのであります。 善良な理髪師の如く、善良な靴匠の如く、私は、また真実な一
文筆者として使命を果たしたいと思っています。幸に、男子にとって、厄年である四十三....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
らしに、追われている』と、いう蔑視から、資本家や、編輯者等が、いまだ一介の無名の
文筆家に対して、彼等の立場から、冷遇しなかったと何んで言えよう。況んや、私のよう....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
たにかゝわらず、いまや、脆くも、その誇りを捨て、ジャナリズムに追従せんと苦心する
文筆家が、即ちそれであるが、文章に、自然なところがなく、また明朗さがなく、風格が....