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「文筥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

文筥の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
もの持参いたしました」 「みせい!」 さし出したのは、すばらしくも贅沢きわまる文筥なのです。 しかし、中の書状に見える文字は、またすばらしくもまずい金釘流な....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
処理さるべきはずなのに、ぜひにも名人でなくばという名ざし状が、なまめかしい朱房の文筥とともに、江戸桃源の春風に乗って舞い込みました。しかもそれが、またよりによっ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、さっさと帰れ」 「では、さようなら」 「なにがさようならだ、馬鹿にした野郎だ」文筥《ふばこ》を手に持ってノソノソ帰って行く中間のうしろ姿へいまいましそうに舌打....
リラの手紙」より 著者:豊田三郎
冷たい氷をあてる、いわば防腐剤であった。しかし久能はその封筒を、父の遺した螺鈿の文筥に大事げにおさめた。 久能が菊崎という同級の中で一番の真面目で通っている男....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。――そんな物をいただきに来たのじゃない」 若い禅坊主は、自分の胸にかけている文筥を眼で示し、 「わしは、泉州の南宗寺の者だが、このお館へ来ている宗彭沢庵どの....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
た。 その時、用人の木村助九郎がちょうど、次の間まで来て、 「――殿」 と、文筥を前に、灯影から遠く坐った。 「なんじゃ」 振顧ると、その宗矩の眼ざしに向....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
者も、後振り向いて、お通の代りに声を揚げ合っていたが、その時、彼方の辻から、胸に文筥を掛けた何家かの下郎が、牛の前に歩いて来た。 「――あぶないっ」 と、誰か....
私本太平記」より 著者:吉川英治
鎌倉へ曳かれた後には、さっそく六波羅兵がこれへ臨んで、家探しをなし、往来の書状、文筥など、検め荒すにちがいない。――されば、家職の助光に預けおくも安心はできぬ。....