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「文通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

文通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
たのと余り変らない返事をした。 「あの女は黄の情婦だったんだよ。」 僕は彼の註文通り、驚嘆する訣《わけ》には行かなかった。けれども浮かない顔をしたまま、葉巻を....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
と》ったではないか? 同時に又我我は我我に恵まれた自由意志により、必ずしも妻の注文通り、羽織や帯を買ってやらぬではないか? 自由意志と宿命とに関らず、神と悪魔....
家霊」より 著者:岡本かの子
か、どういう生活をしたか一切語らなかった。自宅へは寄寓のアパートから葉書ぐらいで文通していた。くめ子が自分で想い浮べるのは、三年の間、蝶々のように華やかな職場の....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
―一六四二年)の諸発見によってその基礎を堅めるようになった。ガリレオはケプラーと文通していたのであるが、一五九七年のある手紙に自分は永い以前からコペルニクスの所....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
る。框がだだ広く、炉が大きく、煤けた天井に八間行燈の掛かったのは、山駕籠と対の註文通り。階子下の暗い帳場に、坊主頭の番頭は面白い。 「いらっせえ。」 蕎麦二膳....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
にも口説き自分の夫にも口説きしてひそかに慰藉の法を講じた。自ら進んで省作との間に文通も取り次ぎ、時には二人を逢わせる工夫もしてやった。 おとよはどんな悲しい事....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
だが蟒の呼吸ぬけもないし、それに厳重な錠がかかっていますね」 「これは兎に角、論文通過まで、内部を見せたくない装置なんです」 「論文の標題は?」 「ニシキヘビの....
春昼」より 著者:泉鏡花
、」と切込んだ。 「大違い、大違い、」 と、出家は大きくかぶりを掉って、 「註文通り、金子でござる、」 「なるほど、穿当てましたね。」 「穿当てました。海の中....
大脳手術」より 著者:海野十三
、この思切った大脳手術を乞うた。幸に先生は大きな同情をもって快諾し、そして私の注文通りの手術を行ってくれた。それから幾日経ってか、私が気がついたときは、私は一頭....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
るのが、判官に生命を捧げた、苦労のほどが偲ばれて、何となく涙ぐまるる。 で、本文通り、黒革縅の大鎧、樹蔭に沈んだ色ながら鎧の袖は颯爽として、長刀を軽くついて、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
…天狗が揺り倒しそうな処です。可恐しいね。」 と二人は顔を見合せた。 が、註文通り、火鉢に湯沸が天上して来た、火も赫と――この火鉢と湯沸が、前に言った正札つ....
「ファン」について」より 著者:伊丹万作
うである。 もともと私は自分のファンというものをほとんど持つていない。ファンと文通するというようなことも稀有な例に属する。 しかし、だからといつて私は自分の....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
って、二里ばかりで、荷かつぎを断りました。御坊が自分で、荷を背負って、これから註文通り景色を賞め賞め歩行き出したは可いが、荷が重い。……弱った、弱った、とまた弱....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
火事と同様、予想以上に大きくなったのでいよいよ面喰ってしまった。日本は二葉亭の注文通りにこの機会に乗じて驥足を伸べるどころか、火の子を恐れて縮こまって手も足も出....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
した身勝手な要求をも、寛容に受け容れてくれるだろうと思った。だが、お互にしばらく文通も杜絶えていて、私は森山の鉱山の在処を知らなかったので、私や森山とも同窓の土....