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文面
「文面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ル》の相手が出来たのだなと思うと、さすがに微笑せずにはいられませんでした。通知の
文面は極《ごく》簡単なもので、ただ、藤井勝美《ふじいかつみ》と云う御用商人の娘と....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
野呂松人形《のろまにんぎょう》を使うから、見に来ないかと云う招待が突然来た。招待してくれたのは、知らない人である。が、
文面で、その人が、僕の友人の知人だと云う事がわかった。「K氏も御出《おいで》の事....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
はその死後に受けとる二百円は一体誰の手へ渡るのかと言うと、何《なん》でも契約書の
文面によれば、「遺族または本人の指定したるもの」に支払うことになっていました。実....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
れたいくつにも折り畳まれてある紙片を開いてみた。そこには鉛筆の走り書きで、こんな
文面が認《したた》められてあった。 『失礼ごめんあそばせ。病院で一回三円かかる注....
「海底大陸」より 著者:海野十三
るのを待っていた。 「おお、これは総監閣下からの命令です」 スミスは、じっと、
文面に見入った。 「なになに、メリー号とすれちがったはずのルゾン号が、ロンドンに....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
はいよいよ静かな態度で、次なる言葉を繰り出す。 「その書簡箋を鶴彌氏が取出すと、
文面を読んで確かめた上で、火をつけて焼き捨てたのです。その焼き焦げの黒い灰が、あ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
はすでに感づいていたそうです。それでパラパラと論文を開いてゆくうちに、次のような
文面を発見しました。 「月世界には、一つの生物がいるが、それは殆んど見わけがつか....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
とを思い出したからだ。なぜそのような重大なことを度忘れしていたのだろう? その
文面には、たしかに次のような文句があったと思った。 「……鼠谷仙四郎儀、療養|叶....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
で、いつまでも同じところばかり塗っていた。そしてスミス中尉が持っている秘密電報の
文面をそっと読んで、あとは知らぬ顔をしていた。まったく変なペンキ工だった。だがそ....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
画人集団発起人の某氏から同連盟への加盟を勧誘するため、送られたものであるが、その
文面に現われたかぎりでは、同連盟の目的は「文化運動」という漠然たる言葉で説明され....
「妖怪学」より 著者:井上円了
、柳樽を「家内喜多留」と書するの類は、みな文字によりて祝する縁起なり。また結納の
文面には、可被下を「下被可」に書す。これ、いったん家を出でて他に嫁せしものの家に....
「迷信解」より 著者:井上円了
古く天狗の名称の見えたるは『史記』という書物である。しかし、『史記』の天狗はその
文面より見るに、雷獣に与えたる名目のように思わる。されば、怪物の天狗は日本人の想....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
らしいので、(この頃の郵便はこう早くは届かないが、その頃は今よりも迅速だった。)
文面は記憶していないが、その意味は、私のペン・ネエムは知っていても本名は知らなか....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ス、オユルシ下サイ 五日正午 緑雨の失意の悶々がこの冷静を粧った手紙の
文面にもありあり現われておる。それから以後は全く疎縁になってしまった。 その後....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の親から返事が届いた。案に相違して「理髪店に勤めるのはまかりならぬ」というきつい
文面である。 こんな落着きのない日を送っていては取返しのつかない気もしてきた。....