文飾[語句情報] »
文飾
「文飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
文飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たところ兎を海へ追い込んだり急流に投げ込んだりすると直ぐに死んだので右の句はただ
文飾語勢を主とした虚構と思っていたが、仏経に声聞《しょうもん》を兎川を渡る時身全....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
と云うのだ。 それが、『太平記』の有名な竜馬|諫奏の一挿話である。元来太平記は
文飾多く、史書として其の価値を疑われ、古来多くの学者から排撃されて居る。併し藤房....
「一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
さへの停滞ではないでしょうか。横光利一・小林秀雄というような人々の悲惨は、いかに
文飾したとしても、自身を、日本の民主的文学の伝統に固定的に対置させた反措定として....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
て、いつの間にか知らず知らずに、精神主義を混入させてはいないかということだ。単に
文飾の上でならいいが
文飾から論理にまでこの精神という言葉を本気になって持ち込めば....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
ものが理解出来る。認識とは文化のメカニズムのことに他ならなかったのだ。文化はその
文飾的な又政治支配的な要素を別とすれば、真理の社会に於ける歴史的形態のようなもの....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
い――だが一体之は誠に妙な結論ではないのか。思想のない文学といったようなものが、
文飾としては兎に角、真《ま》ともに考えられるとすれば、少なくとも私はそうした文学....
「年譜」より 著者:宮本百合子
派の人々は亀井勝一郎、保田与重郎、中河与一を先頭として「日本精神」の謳歌によって
文飾されたファシズム文学を流布した。女詩人深尾須磨子はイタリーへ行って、ムッソリ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
《へんしゅう》の都合で伸縮自在のうきめにあったもので、そのために一層ありのままで
文飾などありません。私の生れたうまや新道、または、小伝馬町《こでんまちょう》、大....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の教えを守って――姿の薄化粧のように、魂も洗おうとした。この二行ばかりの文章は、
文飾のようにもとられようが、濃かれ薄かれ、そんな気持ちはたしかにあったのだ。人と....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
にのぞんでいるものであって、真の人類文化の大集成の要義の把握なしには、いかような
文飾をもってもつかめる性質のものでないことは実に身をもって感じています。
きょ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
も、その品位に到達する筋はないから。品位の解説をするものは、一見それと全く違った
文飾ない現実でありますから。面白いわねえ。わたしは、その一葉の写真が、これこそ現....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
クリストフはまた勇ましく働きだした。「文士」などとよくも名づけられた奴ども、
文飾家、無益な饒舌《じょうぜつ》家、新聞雑誌記者、批評家、芸術上の山師や商売人、....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
ことが出来るとさえ云うことが出来る。その時哲学は、夫々一種の知的性癖でなければ、
文飾的な奢侈品に近づくだろう。それにしても、ヨーロッパに於ける哲学は文化生活の伝....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
翻訳小説でも読むようにまわりくどくて、どうやら気味のわるい気はしながらも、事実と
文飾との境がはっきりしないのである。君江は手紙の意味を手短《てみじか》に言ってし....
「日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
てはその伝統感を明らかにするには多少の説得を必要とさえするだろう。仏教さえもが、
文飾としてはそうなのだ。民衆に文化的な薫染を与えたものは、恐らく徳川時代文化がそ....