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「文鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

文鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
つけたまま、槐《えんじゅ》の枝に吊《つ》り下げた、支那風の鳥籠を眺めている。鳥は文鳥《ぶんちょう》か何からしい。これも明暗の斑点《はんてん》の中に、止《とま》り....
文鳥」より 著者:夏目漱石
いと云う。飼ってもいいと答えた。しかし念のためだから、何を飼うのかねと聞いたら、文鳥《ぶんちょう》ですと云う返事であった。 文鳥は三重吉の小説に出て来るくらい....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
は読んでいるとしても、私はやはり初期の作が好きだ。特に短篇に好きなものがある。「文鳥」のようなものが佳いと思う。「猫」、「坊ちやん」、「草枕」、「ロンドン塔」、....
小鳥」より 著者:宮本百合子
候に支配されることといったら、私以上の鋭さである。紅雀、じゅうしまつ、きんぱら、文鳥などが一つがい、二つがいずついる。少し空が曇り、北風でも吹くと、元気な文鳥以....
」より 著者:宮本百合子
りでに抜き足になった。そして後から廻って近よった。 「どうしたの、なあに?」 「文鳥が逃げちゃった。そこにいるのに」 成程! 籠の中は一羽だ。つい鉢前の、菊の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
約農業の特徴を話したり質のことを話したりしていると、もうちゃんと聴いてはいなくて文鳥を眺めているのよ。所謂生活力と粗雑さ、粗雑なまま通ることからの自信にうたれま....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
れはたしかに美しい。 早咲きの桃の花とでも言いましょうか。頬がポッと淡桃色で、文鳥のような、黒い優しげな眸《め》で、じッとこちらをうかがっている。 得《え》....
日記」より 著者:宮本百合子
源氏のえい響にや) A、午後から、死んだじゅうしまつの雌を買いに行き、ついでに文鳥を一つがい買って来た。 実に、他のとりの中に入れるとめだって派手だ。漱石氏....
木彫ウソを作った時」より 著者:高村光太郎
なかったので、それぞれの籠につけてある名札をよみながら鳥を見た。鶯、山雀、目白、文鳥、十姉妹などの籠の上に載っていたウソをその時はじめて詳しく観察した。さっきの....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
。今消えては大勢上不都合に候。鼠骨でも今日の弥次郎兵衛の処は気に入る事と存候。「文鳥」十月号に御掲載被下候えば光栄の至と存候。十月なれば『東朝』へ承諾を求むる必....
二少年の話」より 著者:小川未明
知らないのかい。べにがらのように赤くて、もっと大きい鳥なんだよ。じゃ、姉さんは、文鳥を知っているだろう。ちょうど、あんなような鳥なのさ。」と、達ちゃんは、いいま....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
食パンの粉をやり出したり、雀の子を飼えのと言い出したが、手に入り難いので、手乗り文鳥を買ってやった。 するとこれがまた、人間国宝の菊村のお婆ちゃんに感染し「あ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
左柳 歯ぬけとなれば貝も吹かれず 翁 月寒く頭巾あぶりてかぶるなり文鳥 この中の句なども老いたる山伏の境涯であった。旅が本業といってもよいくらい....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
が上手でした。恰度おそまきの痲疹を患ってそれが癒ったばかりの時でした。屋上庭園で文鳥を放して遊びたいと云ってききません。 その日は偶然みんな外出して家の中には....