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斎戒沐浴
「斎戒沐浴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斎戒沐浴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
はっとなって老職は、打ちひしがれたように面を伏せた。死を覚悟されているのである。
斎戒沐浴して髪に香を焚きこめる、――刺客の手にかかることがあろうとも、見苦しい首....
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
は、姑に孝行で、その夫が外へ往っていて、姑が重い病気に罹り、医巫も効がないので、
斎戒沐浴して天に祈り、願わくば身をもって代りたいといって、股を割いて進めたから、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
祖伝来の大財産を、あのこけ猿の壺によって掘り出すといったおごそかなようすでした。
斎戒沐浴《さいかいもくよく》して、お鍬《くわ》入れの儀式と称し、対馬守が自身で第....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、夫婦は更に幽界でめぐり会う約束を固め、別離の盃、哀傷の涙よろしくあって、やがて
斎戒沐浴して新に化粧を凝らした黛夫人が、香煙|縷々たる裡に、白衣を纏うて寝台の上....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
囃子方、狂言方、その他の稽古に到るまで一切を指導準備し、病を押し、老衰を意とせず
斎戒沐浴し、衣服を改めて、真に武士の戦場に出づる意気組を以て当日に臨んだ。これは....
「透き徹る秋」より 著者:宮本百合子
共は、真個に、湧き出た新鮮な創作の真と美とに触れられる。昔、仏像の製作者が、先ず
斎戒沐浴して鑿《のみ》を執った、そのことの裡に潜む力は、水をかぶり、俗界と絶つ緊....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に精神を打ち込むのでございます。もとより肉体はないのですから、現世で行るような、
斎戒沐浴は致しませぬ。ただ
斎戒沐浴をしたと同一の浄らかな気持になればよいのでござ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
って犬狼に施捨供養すること、以下二十六カ条のものであった。 翌日、未明に谷川で
斎戒沐浴し、カンチェンジュンガの氷の山をまなかいに見る台地に坐った。百八遍の礼拝....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
。これは文学の神様のものだから襟を正して読め、これは文学の神様を祀っている神主の
斎戒沐浴小説だからせめてその真面目さを買って読め、と言われても、私は困るのである....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
冬に午前四時に起き、素足で火鉢もない部屋で小説を書くということであり、このような
斎戒沐浴的文学修業は人を感激させるものだが、しかし、「暗夜行路」を筆写したり暗記....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
りの御目にも留まることで、仕事の難易はとにかく事疎かに取り掛かるものでないから、
斎戒沐浴をするというほどではなくとも身と心とを清浄にして早春の気持よい吉日を選ん....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
宗門は断絶し、今はこの寺だけが遺身にのこっているわけである。少し離れて建っている
斎戒沐浴のため使ったという浴堂のまわりに木の葉が佗しく掃き積っていた。 宗祖が....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 王允は、彼に告げて、 「どうか、こよいは悠々身心をおやすめ遊ばして、明日は
斎戒沐浴をなし、万乗の御位を譲り受け給わらんことを」と、祷って去った。 「ご気分....
「三国志」より 著者:吉川英治
早朝、魯粛は、孔明をその客館へ誘いに行った。前の夜から報らせがあったので、孔明は
斎戒沐浴して、はや身支度をととのえていた。 「きょう呉君にお会いになって、曹操の....
「三国志」より 著者:吉川英治
ように、毎日、彼の姿を後園の池の畔に見ることもなかった。 神思幾日、彼は一夜、
斎戒沐浴の後、燭をかかげて、後主|劉禅に上す文を書いていた。後に有名な前出師の表....