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斐
「斐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うと、止《と》め桶の湯も浴びずに、今度は下半身を洗いはじめた。が、黒い垢すりの甲
斐絹《かいき》が何度となく上をこすっても、脂気《あぶらけ》の抜けた、小皺《こじわ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
みずか》ら鞭撻しても、断行する勇気が出なかったのでございます。私は何度となく腑甲
斐《ふがい》ない私自身を責めました。が、徒《いたずら》に責めるばかりで、何一つ然....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
なった。内供が人と話しながら、思わずぶらりと下っている鼻の先をつまんで見て、年甲
斐《としがい》もなく顔を赤らめたのは、全くこの不快に動かされての所為《しょい》で....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
げにたどたどと屋形の方へ歩いて参った。」
「さようでございますか。それはまた年甲
斐もなく、失礼な事を致したものでございます。」
平太夫はあの朝の事を思い出した....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ていたのであった。
松山へ来てから二月《ふたつき》余り後《のち》、左近はその甲
斐《かい》があって、ある日城下に近い海岸を通りかかると、忍駕籠《しのびかご》につ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
さと、私の体を汚された恨めしさと、その二つのために死のうとする。ああ、私は生き甲
斐《がい》がなかったばかりではない。死に甲
斐さえもなかったのだ。
しかしその死....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の昔馴染みと云うやつがね、お蓮さんのように好縹緻《ハオピイチエ》だと、思い出し甲
斐《がい》もあると云うものだが、――」
田宮は薄痘痕《うすいも》のある顔に、擽....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
、突然祖母がはいって来て、眠むがるのを無理に抱《だ》き起してから、人手も借りず甲
斐甲
斐しく、ちゃんと着物を着換えさせたそうです。お栄はまだ夢でも見ているような、....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。
すると、一生懸命にのぼった甲
斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
れることが出来るのです。こんな時に使わなければどこに魔術などを教わった、苦心の甲
斐《かい》があるのでしょう。そう思うと私は矢《や》も楯《たて》もたまらなくなって....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
しら》えが出来ると、俵屋《たわらや》の玄関から俥《くるま》を駆って、制服制帽の甲
斐甲
斐しい姿を、七条の停車場へ運ばせる事にした。
ところが乗って見ると、二等列....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
きいのです。」
「それだけでも結構ですよ。すべての事は評判があって、始めてあり甲
斐《がい》があるのですから。」
素戔嗚にはこの答が、一向｜腑《ふ》に落ちなかっ....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
も知れない。僕は蛇笏君の手紙を前に頼もしい感じを新たにした。 春雨の中や雪おく甲
斐の山 これは僕の近作である。次手を以て甲
斐の国にいる蛇笏君に献上したい。僕は....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
蚤の多きことさながらに足へ植えたるごとし。呉牛の喘ぎ苦しく胡馬の嘶きを願えども甲
斐なし。夜はなおさら昼のホテリの残りて堪えがたければ迚も寝られぬ事ならば、今宵は....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
快感を感じました。夜になってから、赤児が二度ほど泣きましたが、二人はその度に、甲
斐甲
斐しく起上って、あやしてやったり、「おしっこ」をさせてやったりしたので、朝方....