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斑点
「斑点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斑点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
げた、支那風の鳥籠を眺めている。鳥は文鳥《ぶんちょう》か何からしい。これも明暗の
斑点《はんてん》の中に、止《とま》り木《ぎ》をあちこち伝わっては、時々さも不思議....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
は躍るように、枯柳の根もとに転《ころ》げ落ちた。血は見る見る黄ばんだ土に、大きい
斑点《はんてん》を拡げ出した。
「よし。見事だ。」
将軍は愉快そうに頷《うなず....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》に一尺も二尺も積り重なる日があった。小屋と木立だけが空と地との間にあって汚ない
斑点《しみ》だった。
仁右衛門はある日膝まで這入《はい》る雪の中をこいで事務所....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
まだもう一つ気のついたことがある。 それは真白な肢体の膚に、点々として小さい
斑点がついていることだ。そういうとそばかすみたいに聞えるが、そばかすではない。そ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
の指先には、白い球がつまみあげられていた。卵大ではあるが、卵ではなく、一方に黒い
斑点がついていた。 義眼であった。老人の右の目にはいっていた入れ目であった。 ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
んだところはグリーンから底に行くほど、藍色に変って行く。そしてその中に、いわなの
斑点のある身体が、二匹も三匹も動いている。鰭の動くのさえ鰓のひらくのさえ見える。....
「大脳手術」より 著者:海野十三
に確かめられる。運動と筋肉の関係は有尺高速映画で撮影され、筋肉圧はブラウン管の光
斑点の動きで検定するが、これは同時撮影されるから、もしも異状があれば、直に発見さ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
その頭を頂く時に、侍女等、鎧の裾を捌く。外套のごとく背より垂れて、紫の鱗、金色の
斑点連り輝く。 公子、また袖を取って肩よりして自ら喉に結ぶ、この結びめ、左右一双....
「火星兵団」より 著者:海野十三
の部屋は、空っぽも同様であった。
そのだだっぴろい部屋には、湿気のために、妙な
斑点のついた床があるばかりで、その床の上には、何もないのであった。まるで、雨天体....
「橋」より 著者:池谷信三郎
白々しい仮面のような彼女の顔。――彼はただ、彼女が、今、観客席の床の上に一箇所の
斑点のように、圧しつぶされてしまったあの男に対して、何んらの感情も持ってはいなか....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の死びと色があらわれていた。又その色は彼の長い指にも爪ぎわにもあった。その紫色の
斑点は、墓の中でだんだんに濃い紅色になり、やがて黒くなって崩れ出す筈のものであっ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございました。背材はそう高くはございませぬが、総体の地色は白で、それに所々に黒の
斑点の混った美しい毛並は今更自慢するではございませぬが、全く素晴らしいもので、私....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
はい、旗を出します』と答える。どこの家でも大概は不承々々に一人の国民が出て来て、
斑点だらけの一枚の金巾《かなきん》を掲げて、こうしてずっと夜まで押しとおし――旗....
「キド効果」より 著者:海野十三
ず、真赤な血飛沫がベットリ附着し、下の方へ雫がポタポタと墜ちていた。墜ちた真赤な
斑点は、レールとともに飛ぶように後へ走った。 過失? 故意? 二人の武装車掌....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
石と偃松 この近辺を界して、南方の岩石は、藍色末に胡摩塩を少々振りかけたような
斑点、藍灰色で堅緻だから、山稜も従って稜々して、穂高の岩石と、形質がいささかも違....