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斑犬
「斑犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斑犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
な犬をくれてやろう。」と言ったと思うと、もう口笛の声が森中にひびき渡って、一匹の
斑犬《ぶちいぬ》が牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。
「これは噛めとい....
「海異記」より 著者:泉鏡花
たが早いか、ドウとしたたかな足踏して、 「わい!」 日向へのッそりと来た、茶の
斑犬が、びくりと退って、ぱっと砂、いや、その遁げ状の慌しさ。 四 ....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
に、夜明に間もないと考えたから、人憚らず足早に進んだ。荒物屋の軒下の薄暗い処に、
斑犬が一頭、うしろ向に、長く伸びて寝て居たばかり、事なく着いたのは由井ヶ浜である....
「海浜一日」より 著者:宮本百合子
舌出すの?」 「ああ。晴子みたいに」 「ひどい!」 散々晴子や佐和子とじゃれ、
斑犬は今父の靴の踵にくっついた。父は風呂敷包みを下げている。中に鶏肉が入っていた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ば》くと、毛色皆異なる犬数疋出たので殺し尽して帰ったとある。ハンガリー人も黒犬に
斑犬を魔形とし、白犬は吉祥で発狂せぬと信ずる(グベルナチスの『動物譚原』二の三三....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
棄鞭で、把手にしがみついて、さすがの悪垂|真俯向けになって邸町へ敗走に及ぶのを、
斑犬は波を打って颯と追った。 老人は、手拭で引摺って袖を拭きつつ、見送って、 ....
「吠える」より 著者:宮本百合子
だ。白い頭の上から墨汁の瓶をぶっかけられたように、黒斑《くろぶち》のある白犬だ。
斑犬を、私は一概に嫌いだというのではない。鷹揚で快活な斑もあるが、その犬のように....
「贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
ながら訊いた。 「これ、どこの犬?」 「藤山さんとこんだ」 「これは」森君は茶の
斑犬を指した。 「お寺んだ」 「お寺? どこにあるの」 「この先の大きな銀杏のあ....