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斛
「斛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
》の給仕女たりし房子《ふさこ》夫人が、……支那人《シナじん》たる貴下のために、万
斛《ばんこく》の同情無き能わず候。……今後もし夫人を離婚せられずんば、……貴下は....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
んだほうがましだ。死のう! 死のう!」 渠は胸中の劇熱を消さんがために、この万
斛《ばんこく》の水をば飲み尽くさんと覚悟せるなり。渠はすでに前後を忘じて、一心死....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ここに屯《たむろ》をしていて、人の来るのを待ちつけて、永い久しい間にどのくらい何
斛《なんごく》かの血を吸うと、そこでこの虫の望《のぞみ》が叶《かな》う、その時は....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
てゆくのだ。
「ああ、せめて這《は》いでもできれば、俺は往くんだのに……」
万
斛《ばんこく》の恨みが、いま分秒ごとに消えてゆく雪橋《はし》のうえに注がれている....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
文字は鮮《あざや》かで有るけれど、仲々難かしい、余は漸く読み下した。
明珠百
斛 めいしゆひやくこく 王錫嘉福 わうかふくをたまふ
妖※偸奪 えうこ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
薪にしたという人だった。 三 庭木 新しい僕の家の庭には冬青、榧、木
斛、かくれみの、臘梅、八つ手、五葉の松などが植わっていた。僕はそれらの木の中でも....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
積まれていて、およそ人世の珍とする物は備わらざるなしという有様であった。名香数|
斛、宝剣一|雙、婦女三十人、その婦女はみな絶世の美女で、久しいものは十年もとどま....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
仁が呵々と笑ったですが、もう耳も聞えず真暗三宝。何か黒山のような物に打付かって、
斛斗を打って仰様に転ぶと、滝のような雨の中に、ひひんと馬の嘶く声。 漸々人の手....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
た、だんだん腹這いにぐにゃぐにゃと首を伸ばして、ずるずると鰯の山を吸込むと、五|
斛、十
斛、瞬く間に、満ちみちた鰯が消えて、浜の小雨は貝殻をたたいて、暗い月が砂に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
異なのは、宵に宰八が一杯――汲んで来て、――縁の端近に置いた手桶が、ひょい、と倒
斛斗に引くりかえると、ざぶりと水を溢しながら、アノ手でつかつかと歩行き出した。 ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
書いた本所|停車場の建札も、駅と読んで、白日、菜の花を視むる心地。真赤な達磨が逆
斛斗を打った、忙がしい世の麺麭屋の看板さえ、遠い鎮守の鳥居めく、田圃道でも通る思....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
美しさは、緑葉と花木とに装われて、類い少なく見事であった。椎の花が咲いている。石
斛の花が咲いている。槐の花が咲いている。そうして厚朴の花が咲いている。鹿が断崖の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
。」という間もなく、硝子窓に一千の礫ばらばらと響き渡って、この建物の揺ぐかと、万
斛の雨は一注して、轟とばかりに降って来た。 金之助も、話の変と、急な雨に、思わ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
と、医師からも朋友からも切に忠告された。 この忠告を受けた時の二葉亭の胸中|万
斛の遺憾苦悶は想像するに余りがある。折角|爰まで踏出しながら、何にもしないで手を....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
。が、彼は大阪市の罪悪と誤謬を思うとどうしても眠られない。狂気せるもののごとく万
斛の涙を流しつつ街から街を一人歩いた。 「あまりに淋しい夜だ! 」 「人生に救い....