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斜線
「斜線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斜線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
さを、夢想にもしなかったらしい、東海道の吉原から、岩淵あたりで仰ぎ見る富士山の大
斜線は、向って左の肩、海抜三七八八米突から、海岸の水平線近く、虚空を縫って引き落....
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
ピラミッドを浮かべた寝台の彫刻へ広い額を擦りつけた。ナポレオンの汗はピラミッドの
斜線の中へにじみ込んだ。緞帳は揺れ続けた。と彼は寝台の上に跳ね起きた。すると、再....
「木魂」より 著者:夢野久作
。そこから線路伝いに四五町ほど続いた高い堀割の間を通り抜けると、百分の一内外の傾
斜線路を殆んど一直線に、自分の家の真下に在る枯木林の中の踏切まで行けるので、その....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
に包まれた古都の断礎でも見るように、続々と繋がって、爪先を仰ぐばかりに中天に高く
斜線を引いている――もう白河内岳の上にかかっているのだ、この饅頭形の石山は、北ア....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
て、大輪の朝顔のような、冴えた藍色が匂やかである。 尾根の頂上へ出たときは、大
斜線の岩壁が、深谷へ引き落されて、低くなったかとおもうと、また兀々とした石の筋骨....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
るが如く、浮かんでいるばかりで、輪廓も正体も握みどころがないが、裾を捌いた富士の
斜線の、大地に這うところ、愛鷹の麓へ落ちた線の交叉するところ、それに正面して、箱....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
下では線が集って美しく締りをつけてある、次に両足だ、これが又中央は垂直線、外側が
斜線である、下へ降る途中があまりに長いからに云うので膝に於てよろしき位いのアクサ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
広い部分を一抹する事もよろしい。鉛筆画と違って、調子を作るために線の網目や並行の
斜線を使用する必要がない。ぼかすためには指頭を以て木炭で描いた上を摺る事もよろし....
「街の底」より 著者:横光利一
底で静っている銅貨の力学的な体積は、それを中心に拡がっている街々の壮大な円錐の傾
斜線を一心に支えている釘のように見え始めた。 「そうだ。その釘を引き抜いて!」 ....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
眼に映ずる。その右には赤城の黒檜山が鈍いが著しく目に立つ金字形に聳え、右に曳いた
斜線の上に鈴ヶ岳がぽつんと鮫の歯をたてる。赤城と根利山との間には、小川山から大洞....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で一里半程の高原地にある村落で、しかして西の雪峰から東の方の谷間へかけてごく緩い
斜線状になって居りますが、その
斜線状に沿うて西の雪峰から流れ来る川があります。こ....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
下両面及び側面から階段状の穴が入りこんでいるような形となっているので、(11)で
斜線を引いてある部分が、氷の実質のある部分である。この角柱の丈《た》けが低くなる....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
床柱の前に静かに坐して同じ動作をいささかの疲労も見せずに続けていた。黄色い太陽の
斜線がもう時間も大分過ぎたことを語っている。 「ありました」 彼は突然に誰にい....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。その豪壮な、天に沖した金剛|不壊力の表現を見るがいい。その四方に斉整した帆綱の
斜線、さながらの海上の宝塔。 ゆさりともせぬ左舷右舷の吊り短艇の白い竜骨。 ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の高原を拡げている。其奥に筋骨を剥き出した黒部五郎岳が火山のような長い美しい裾の
斜線を見せて、秀麗な円錐形に聳えているのがこの大画幅に点睛の妙を極めて人を叫ばせ....